菱崎博さんの「青春の色彩」出版

菱崎博さんの「青春の色彩」が出版されました

『京都民主文学』に17回にわたって連載されれてきた青春小説が単行本にまとまりました。

 好評発売中です。

   本の泉社(株)発行  定価2000円(税込み)

 購入希望者は京都支部、または直接菱崎博さんへ。

〒616-8312 京都市右京区嵯峨野清水町4-26

  電話075-882-2480

  Eメール  saga-ryohaku123@pearl.ocn.ne.jp

 

 

 

 

 

2024年度3月度例会報告 「靴屋のゲンさん」合評会

  •  3月度の例会は、27日(水)午後1時過ぎ、神戸支部の石原萌さんをお招きし、ラボール京都6階円卓会議室に、北村あつむ、山際理子、野川ありき、菱崎博、橋本宏一が参加して、『民主文学』12月号掲載の「靴屋のゲンさん」の合評と創作体験を交流するつどいをしました。「靴屋のゲンさん」は、2023年の支部誌・同人誌作品の応募作品のなかから入選したもので、関西の仲間の作品を合評し合おうと企画されました。出された感想の要旨を列挙しておきます。
  • *主人公の「私」は足のハンディを負っていて、そのハンディを補おうとするゲンさんの職人魂がよく描かれている。田舎の暮らしもよい。実家に戻ってきたきっかけはどうか。そこがちょっと物足りない。「私の中に巣食っているいる灰色のようなもの」の存在を知りたい。
  • *障害に寄り添うゲンさんの人物像がよくわかる。
  • *読みやすい文章でひきつける。技術はたいしたもの。ゲンさんは良く描かれているが自分の人物像はどうか。そこが不足に感じる。時代は高度成長の頃か。
  • *「私」の心情は伝わってくる。
  • *仕事に対する愛が出ているのがよい。長過ぎるセンテンスは改善の余地がある。
  • *ゲンさんが亡くなったところで終わるが、希望がある
  • *ゲンさんが亡くなったところで終わるが希望がある。
  • *視点がよい。職人気質に同感できる。
  • *「だった」という過去形が連続する文章は工夫がいる。
  • *作者からー3年前テーマがみつからず悩んで書いた。最初は掌編小説。それに加え30枚にしていった。ゲンさんの個性が出せるよう方言も入れた。
  • *ゲンさん最後に亡くなるが亡くならない方がよいのではないか。

4月例会のおしらせ

    4月の例会は、4月30日(火)午後1時から、ラボール京都4階第2会議室で、『京都民主文学』78号の作品原稿を事前合評をします。原稿締め切りは6月15日です。急いで作品原稿を風早さんまで送信してください。

 

 

2024年2月度例会報告

 2月度の支部例会は、28日(水)午後1時過ぎから、ラボール京都4階第2会議室に、北村あつむ、野川ありき、風早めい、松田理子、菱崎博、足立旻、橋本宏一の7人が出席して開催しました。主な内容は以下の通りです。

 

 1,支部員の消息について

   病気・療養中の4人の近況を出し合いました。一日も早い快復を願うとともに、お互

       いに健康には留意して文学活動に励むことを確認しました。

 

 2,中村映さんの退会について

   このほど本人から申し出があり退会となりました。

 

 3,関西ブロック支部連絡会

   オンラインによる会議と合評会を継続中、4月の役員会で関西文学研究集会と文学教

  室開催の件を相談する予定。

 

 4,「青春の色彩」出版

   『京都民主文学』に17回連載してきました、菱崎さんの」「青春の色彩」が4月に

   刊行されました。チラシなどは添付しておきます。

 

 5,京都文化団体連絡協議会(京都文連)

   コロナ問題の学習会を計画中、具体化すれば発表。「きょうぶんまつり」は、9月開

  催することを決定、茂山一門の狂言などをメインすることを決定、茂山一門の狂言な

  どをメイントに、チケット2000円で取り組む。

   文連総会は、6月23日(日)午後1時から教文センター203号室で、北村、橋本参加

  予定。

 

 6,『京都民主文学』77号全体合評(未合評作品)

  ◇エッセイ「大好き 井上ひさし・・・」野川ありき作

   *井上ひさし作品を直接読まなくてもこのエッセイで読めるのがいい、との読者感想

   も寄せられている。

   *ひさしさんのこだわったのは、国の在り方、エッセイの行間にこれが出ている。

   *一部文章が長いとことがあり、短くしてもらうとよい。

   *井上ひさしの地球の歴史語るのが深い洞察で、ダーウィンの「進化論」やエンゲ

   ルスの「サルが人間になる労働の役割」「家族・私有財産・国家の起源」さなどを

   研究しているのではないか。

   *

 

 

 

2023年度日本民主主義文学会京都支部定期総会報告

 23年度の当文学会京都支部定期総会は、1月19日、ラボール京都4階第2会議室で、菱崎博、風早めい、山際理子、野川ありき、北村兊、中村映、足立旻、橋本宏一の8人が出席(13人中8人出席で成立)して開催しました。

 最初に北村事務局長が開会を宣言、議長は橋本支部長があいさつを兼ねて進行にあたること、記録係を山際さんが務めることを確認して始めました。

 橋本支部長あいさつ

  今年は年明けから能登半島地震で多くの犠牲と被害が出る波乱の幕開け、政治とカネをめぐる問題は腐りきった政治の病根の根深さを示し、戦争で憎しみの連鎖がつづく。苦しみ悲しむ、庶民のいのち、暮らし、平和と人権が奪われているのに、真実の声がなかなか届かない。

 文学運動は、ささやかにみえても、真実の声を届ける、創作と批評を地道に発し続けている。「民主文学」の作品においても、支部誌においても努力をつづけている。困難ななかわが支部も、毎月1回の例会、年2回の支部誌発行をつづけてきた。会員の高齢化など困難な条件も抱えながら、精一杯の活動をつづけたい。そのための、論議をして、新たな活動を始めたい。

 続いて、北村事務局長が活動報告をして討論をしました。以下要旨

 戦争、物価高、格差と貧困の拡大、労働者・国民はこの中で分断され批判の声もあげられない。それに乗じて政府は軍備ばかりを増やし、憲法違反の戦争準備をしている。政治資金パーテイ問題で国民は怒っている。

 このような時こそ、人の心に寄り添う平和な社会づくりが求められ、文学がそのために大きな役割を果たさなければならない。

 わが支部は、昨年の総会で5項目の方針を決定したが、例会や支部誌の発行はなんとかh方針を堅持したものの、創作の研鑚や外部への働きかけなどは十分とはいえない。合評の在り方も報告者を決めて論議するのがおろそかになっている。会員の高齢化にともなって、運営の改善も求められる。新人会員も迎えたが、会員外の参加を求める講座や勉強会、他支部との交流が積み残されたままだ。

 民主主義文学会の関西ブロック支部連絡会は菱崎会員が連絡役でリモートを通じて参加をしてきた。また、京都文化団体連絡協議会(京都文団連)は、北村事務局長が運営委員会などに参加し連携してきており、貴重な役割を果たしている。

 これらを受けて討論し、出された主な意見

 能登半島地震では志賀原発がどうなったのか詳しい報道がない。電源がストップするなどかなり危険な状態があったようだ。石川だけでなく、京都の近くでは若狭にいくつも原発があり、ここで大きな地震が起これば近畿の水がめの琵琶湖が汚染する。もっと、民主主義文学は発信しないといけない。

 格差と貧困、低賃金は、労働組合がたたかいきれないところも要因ではないか。

 わが支部の創作は、鯉島、足立さんが健闘している。もっと創作を出すようにしよう。

 創作には相当のエネルギーがいる。常に構想をもつこと、図書館で資料を調べることなど日頃の努力が欠かせない。以上を承認。

 会計報告

 鯉島さんが入院中なので12月までの仮決算を承認(別紙)。次回例会で、会計監査を受けて報告することで承認。

 活動方針(出された意見と決まったこと)

 例会の会場はもう少し安価で交通至便なところを探しつつ、当面ラボール京都で開催する。

 『京都民主文学』77号に一部落丁があり、交換する。残部は800円を600円で販売する。

 支部誌発行は、いままでの年2回発行を年1回とする。編集委員会のスタップが手薄になり、校正の手が回らないので、校正には全支部員が参加して当たる。原稿はまず、メールで風早さんに送信する。遅くとも4,5月中に作品原稿を提出、事前合評を経て、6月、7月に校正を加え、8月に発行をする。

 会員拡大には例会案内を「京都民報」などに掲載してもらうことも必要。案内をっ民報編集部に送るようにする。

 

  選出された役員

  支部長 橋本宏一

  事務局長 北村兊

  事務局 風早めい

  会計長 北村、副会計 鯉島民子

  会計監査 山際理子

  関西ブロック支部代表 菱崎博

  支部誌編集部 風早、菱崎、(風野真季)

  文連運営委員 北村

 

  以上を全会一致で決定

 

 次回例会案内

  次回例会は、2月28日(水)午後1時から、ラボール京都4階第2会議室で、『京都   

 民主文学』77号の全体合評(まだ合評していない作品)を行います。

 

  3月度例会のおしらせ

 3月27日(水)午後1時からの支部例会は、神戸支部の石原萌さんに来ていただくことになりました。石原さんは、「文学神戸」に発表した「靴屋のゲンさん」が、支部誌同人誌推薦作の応募作から入選し「民主文学」12月号に掲載されました。作者を前に描写や人物形象など創作体験を聞きながら、作品合評で学ぶことができればと思います。ご参加をお願いします。

 

 

 

 

 

『京都民主文学』77号発行しました。注文は当支部へご連絡ください。

2023年10月例会報告

 10月の例会は、26日午後1時過ぎ、ラボール京都4階第2会議室に、菱崎博、足立旻、風野真季、風早めい、北村あつむ、鯉島民子、橋本宏一の7人が出席して開催しました。

 主には完成した『京都民主文学』77号の配本と発送作業をしましたが、その他の報告決定事項は次の通りです。

 ①民主主義文学会関西ブロック支部連絡会

 関西文学研究集会は論議の結果本年はなし、来年の実施は改めて相談する。

 役員人事は、代表を横田昌行さん、事務局長は菱崎さんの交代を次回会合で決める。

 ②今後の例会などの日程

  11月度例会 『京都民主文学』77号全体合評 

         11月30日(木)午後1時~ラボール京都4階第2会議室

  12月度例会 『京都民主文学』77号全体合評・『民主文学』12月号支部誌推薦作入選  

         作品合評

         12月22日(金)午後1時~ラボール京都4階第2会議室

  支部総会   1月19日(金)午後1時~ラボール京都4階第2会議室

 

 

2023年8月例会報告

 8月の例会は、25日(金)午後1時過ぎから、ラボール京都4階第2会議室に、風野真季、風早めい、鯉島民子、中川亜由美、足立旻、橋本宏一、の6人が出席して開催しました。今回は、『民主文学』の2023年度支部誌同人誌推薦作へ「京都民主文学」から応募する作品を決定し、「京都民主文学」次号・77号へ発表する作品原稿の事前合評をしました。その主な内容を以下報告しておきます。

 

1,京都支部推薦作は創作「こだわり」に決定

 『民主文学』2023年度支部誌同人誌推薦作の対象となるのは、この1年間に掲載された 

 創作(小説)と評論で、「京都民主文学」75号、76号の作品を対象に議論しました。

 評論は対象がなく、創作3篇のうちから、鯉島民子作「こだわり」を応募作として提出

 することに決定しました。この作品は、部落差別のなかで模索する女子高生を描いたも

 ので、『民主文学』のサークル誌評などでも取り上げられていました。推す声が多く決

 定となりました。

 

2,「京都民主文学」77号発表作品の事前合評

 評論 「金石範文学の世界(四)」

 *連載の最後となる評論で、今回は「虚日」、「死者は地上に」、「過去からの行進 

 (上・下巻)、「ことばの呪縛」、「在日の思想」、「なぜ書きつづけてきたか、なぜ 

 沈黙してきたか」、「国境を越えるもの」、「金石範評論集(Ⅰ文学・言語論、Ⅱ思 

 想・歴史論)」を概括して批評している。

 *膨大な作品群への言及は、在日作家が宗主国の言葉を使って分断された祖国と在日の

 在り方を模索、苦悩した軌跡を探究する。読むものにその手がかりを与えてくれる。

 *金石範の作品を読んでいない人にどれだけわかってもらえるか、作品もふくめたわか 

 りやすさが課題。

 *金石範が語っているのか、作者が語っているのかわかりにくいところもあるので、工

 夫もいる。

 創作「郡委員長の悩み」

 *政治革新をめざして選挙をたたかう青年群像を描いた作品である。

 *選挙戦の場面をもっと具体的に描いてほしい。労働者同士の会話、有権者との会話な

 ども欲しい。

 *表題はこれでよいのか(作者から改題したいとの言)。

 *門前のビラ配布、ビラの中身も知りたい。

 

 次回例会は、9月28日(木)午前11時から、ラボール京都4階第3会議室で、「京都民主文学」77号のゲラ原稿の校正、目次を決定します。ご出席をおねがいします。

 

 

2023年7月例会報告

  7月の例会は、29日(土)午後1時過ぎから、ラボール京都4階第2会議室に、風早めい、山際理子、風野真季、野川ありき、足立旻、鯉島民子、橋本宏一の、7人が出席して開催しました。主には『京都民主文学』76号には発表する予定の作品原稿を事前合評しました。出された意見などを以下のとおり列挙します。

 

◆エッセイ「安養寺を訪ねて‐村上春樹の『猫を捨てる』父親について語るとき

*タイトルの言葉は順序を変えた方がよい(「安養寺を訪ねて」を後から前へもってきた)。

*文中では、作者の父なのか、村上春樹の父なのか主語がわかりにくい箇所があるので、引用文とわかるように段落をのくとか、字下げにするとかの工夫が必要だろう。

*説明が必要な語句もあるたとえば、「6・9の日」。支部の文学活動の仲間なら「原爆投下の日」とわかるが、若い人が読んでわかるか。枕詞的な説明がいるのでは。

*寺の名称も、「○○宗・・山・・寺」というような正式名の確認を。

*俳句を引用して文中に置くときは、カギかっこや句読点はないほうがよいのではないか。

◆「文芸の小径」―「沖田総司房良の縁者と光縁寺」

*読んでおもしろい。斬新な視点が興味を呼び起こす。

*書き方としては、作者がゆかりの現地を歩いて、文学、歴史の舞台を説明する手法がいままで取られてきたし、その方よいのではないか。

寺の人との会話が入るといいのではないか。

*山南敬介の逸話が欲しい。

*読みにくい漢字にはフリガナが必要。難しいが説明もいる。

◆評論「苦悩とよろこびを創造の源としてー大江健三郎の文学

*大江健三郎の人と作品を改めて知るには大変貴重な論考。

*経歴もよくわかるが、石原慎太郎や江藤淳、三島由紀夫とは違う文学的立場をもう少し説明してくれると親切。

*経歴の中で、国民学校5年生で敗戦となり、学校現場が激変したのはどうか、大江はどう受け止め、それはどんな作品に現われているのか(「飼育」など)作品から解説してもらえるとさらによい。

*広島、沖縄、そして障害を持って生まれたわが子と向き合い、文学を創造するのはわれわれも学ぶべきところ。期待の評論。

◆創作「暁の星ーその二」

*歴史的出来事を作品に仕立てている。エスペラント語というのが作品を媒介させる軸として働くのがこの作品の特すべきところ。

*実在した人物の行動が描かれる重みがあり、そこへ心理の描写がどれくらい注入できるかが迫力となるだろう。

*作者の言葉が顔を出すところがあるが、ここは出さないよう工夫が必要。

*日中戦争で日本が破れ、中国で内戦となり、1972年の国交回復までの間は日本に知られていない出来事が多い。ここに光を当てようとした意欲作。次号には「その三」が描かれる。

◆エッセイ「東京・本郷文学散歩」

*東京に会議で出張した朝だけの散歩で、随分と文学のゆかりの地を歩けるというのが興味深い。

*その場所に即して、もう少しかかわりの作品、作家の解説がいる。

*作中の「振袖火事」についても説明が欲しい。

*樋口一葉が、ここに住んで何をしたのか、作品にはどう描かれたのか、も触れてくれるとよい。

 

『京都民主文学』76号全体合評

◆エッセイ「大好き 井上ひさし」

 *紙芝居のイメージに引かれて書き継いできた。戦争責任もあり、キリスト教も出てくる。この作に友人が感想をくれた。やめんといてくれというものもいる。あと一回で終わる(作者から)。

*いままでと比べて今回は引っ張ってくれるものが少なかった。

*井上ひさしが講師をしている文学教室の本の紹介もして欲しい。文学論が聞きたい。

◆評論「金石範文学の世界(三)」

*金石範氏本人からコメントが届いている。いままでも「火山島」を読む会での批評や作品評論を書いて送ったら必ず返信をくれる。大変ありがたい。誤字の指摘もあり、ていねいに読んでくれているのがよくわかる(作者から)。

*金氏の作品を並べてくれただけでも価値がある。大作の「火山島」をはじめ、これからでも読みたい魅力ある作品がある。

*「満月」が図書館にあった。読んでいる人がいるのは励み。

*「金石範作品集」を入手して読んでみたい。

 

 

8月、9月、10月の例会

 8月末が『京都民主文学』77号の原稿締め切りです。したがって、8月には最終の事前合評で作品を完成してもらわなければなりません。9月には、ゲラ原稿原稿の校正を行います。10月には完成した77号の配本・発送ということで次のとおり例会の日程を設定しました。

〇事前合評その他

 8月25日(金)午後1時~ラボール京都4階第2会議室

〇ゲラ原稿校正

 9月28日(木)午前11時~ラボール京都4階第3会議室

〇『京都民主文学』77号配本・発送

 10月26日(木)午後1時~ラボール京都4階第2会議室

 

 

2023年6月例会報告

次回例会案内

 次回例会は、7月29日(土)午後1時~ラボール京都4階第2会議室で、『京都民主文学』第77号への作品原稿を事前合評します。また、『京都民主文学』未合評の作品も合評します。ご参加を。

 

 

2023年5月例会報告

 5月度の例会は、24日(水)午後1時過ぎ、ラボール京都6階円卓会議室に、北村あつむ、菱崎博、風早めい、風野真季、足立旻、鯉島民子、橋本宏一の、7人が出席しての開催となりました。主には、完成した『京都民主文学』76号の全体合評をしましたが、それに先立ち、民主主義文学会関西風呂ロック支部連絡会と京都文化団体連絡協議会(京都文連)など関連運動の報告を受けて若干の議論もしました。以下、その主な事項を報告します。

 

2,民主文学関西ブロック支部連絡会

  いままでリモートでの会合で『民主文学』掲載の作品を取り上げ合評をしてきた。こ

 の次からは、リアル参加の会合をすることを申し合わせている、その席で、コロナ禍の

 ため休止してきた「関西文学研究集会」の開催を相談しようということになった。かつ 

 ては、11月、12月に1泊形式で開催してきた。京都の会場が近年では多かったが、

 いろいろ意見もあり、6月の直接対面の会合で改めて相談する。決まった時点で、担当

 者(菱崎)から連絡する。

 

2,京都文連の活動

  23日運営委員会、主な議題はレジュメのとおり。各加盟団体の交流企画は「民主主

 義文学会」の順番で、「民主主義文学運動の歴史」をテーマに来年の2,3月に開催す

 る。次回のきょうぶんまつりは、24年9月29日に文芸会館で開催する予定。狂言の 

 茂山あきらさんの出演、映画「猫は生きている」上映などの企画を準備。総会は6月2

 4日(土)午後2時30分から5時、河 ホールで。北村、橋本参加。総括文書提出済

 み。

 

3,会計報告

  入金と『京都民主文学』76号での業者支払いなど運用状況、現在高

 

4,『京都民主文学』86号全体合評(前半)

        表紙、装丁はすっかり定着した感じで絵は具象にはない魅力がある。

  目次の字体は固い印象がある。もう少し改善を試みて、幾つか型を組んで検討してみ 

 てはと思う。題名が長いと収まりにくいので一考を要する。

 ■寄せられた反響

  エッセイ「揺らぐ星」へは作家の金石範氏から「胸を打つ」との感想。

  連載の創作「青春の色彩」へは、完結したことにふれ、「早く本にしてほしい」との

 注文も届く。文芸評論家の澤田章子さんからも賛辞の手紙が来ている。

  創作「こだわり」のつづきが読みたいと以前創作を投稿してくれた人が感想を寄せて

 きた。  

 ■作品別合評

 ①創作「薄暮」

  「はくぼ」と読む。人生の終章をも意味する言葉としてもってきた。残された人生を

  どう生きるかを考えようと書いた。主人公にはモデルがいる。10パーセントのモデル

  に創作を与えたがここが苦心したところ。視点を変えて複数の人物から迫ってみた。

  そのため、続編でつなぐ創作になった。ー作者コメント

 *「民主文学」掲載の作品は概しておもしろくないのが多いが、この作品はよかった。

 *なぜ、前編と後編(連載)にわけたのか、一気に読める方がよいと思う。人物の組み 

 合わせ、兄弟関係は読み進まないとわからない。

 *視点が変わるが、小説らしい描き方だ。自然に場面配置があり、入り方もいいし、ス

 ムースに読み進められる。薄暮の愛・心のひっかかりが出ている。静寂な愛が伝わる。

 「赤い車」の存在が印象的。

 *トルストイの「アンナカレリーナ」を彷彿させる。人物像をどう伝えるかは非常にむ

 ずかしい。例えばこうだと説明するのはよくない。まわりの人との関係において作り上

 げるよう挑戦するのがよい。終わりの方は夏目漱石の「明暗」を思い出す。

 *おもしろかった。うまいことつくったという感想だ。晩年にこういうことを思っても

 もあまり問題にしないてやり過ごしてしまう。高齢者の異性への愛の追求、そこを見逃

 さなかったのがこの作品の妙。

 ②創作「試練のとき」

  1960年代、高度成長の時代に革新運動は民主連合政府の樹立をめざした。そのな

 かでの職場、地域でのたたかいを書いておきたかった。自分で考えれば穴だらけ、不十

 分で苦労した。小説の舞台とした地域は工場がたくさんあった。大企業の城下町であ

 る。そんなところでの70年知事選挙を題材にとりあげてみた。ー作者からコメント

 *よかったが、党活動の報告のような印象がある。最初に子どものときの話、分かりや

 すい導入がよい。大山崎の選挙に話が行き、登場人物の話にまた移る、これらの説明部

 分が残念。

 *掌編としているが、もっと膨らませてほしい。その作品を読みたい。

 *なつかしい場面がよく出てくる。機関紙の拡大など目標をかかげて奮闘していた時

 代。資料、記録を残すのが大事。それだけにちゃんとした形で残るよう望む。かかわっ

 た人の苦労をもっと入れてほしい。

 *村人の反応、人物の動きを具体的に入れて主人公の変化があるとよくなる。

 *生き生きとした活動がよく書かれている。小説らしく書こうとしているようだが、記

 *録的になっている。そこに肉付け、会話もいれて、雰囲気が伝わるようにしたらよ

 い。

 ③エッセイ「揺らぐ星」ー「透き通る風よ」補講

  前の号に書いたのが反響があり、書き足そうとした。ウクライナの戦争にかかわらな

 いものも読んだので。ー作者からのコメント

 *読んでウクライナの戦争への見方が変わった。どちらが敵でそちらが味方という視点

 でなく迫らないと真実が見えにくいとわかる。地球に人間が住んでいる意味考えさせら

 れる。メディア報道などは一方の側からの、しかも、防衛の専門家ばかりを登場させて

 いる。

 *ゼレンスキーは何故G7の広島にきたのか、アメリカがかかわってのこと。メディア

 は物事の本質を知らせるのを怠っている。吉本喜劇の役者をコメンテーターにつかった

 りしている。漫画家の松本零士のことを取り上げたらもっと面白かった。

 *メディアに期待できない。プロパガンダばかり、それに教育が変えられて、連合の会

 長が自民党党首と飯を食う時代だ。次にくるのが増税、戦争にあがらう輩は「アカ」と

 いわれる恐れも出てくる。次の選挙で流れを変えないといけない。

 *テレビのG7サミット報道をみていると、世界、日本がまるでよくなっていくかのよ

 うに受け取れる。被爆者からみれば正反対だ。核兵器にはいい核も悪い核もない。核兵

 器は絶対悪だ。片方の核だけ非難するのが間違い。平和の祭典などという幻想を打ち破

 らないといけない。

 

 

 

次回例会案内

 次回の例会は6月30日(金)午後1時から、ラボール京都4階第2会議室で、『京都民主文学』76号の後半部分の合評を行います。

 

 

2023年4月例会報告

4月度の例会は、28日(金)午後1時から、ラボール京都4階第2会議室に、北村あつむ、鯉島民子、足立旻、菱崎博、山際理子、風早めい、風野真季、橋本宏一、の8人が出席して開催しました。主には完成した『京都民主文学』第76号の配本と発送作業をしましたが、会議で若干の活動報告と意見交換をしました。その内容の要旨は次の通りです。

 

1,民主主義文学会関西ブロック支部連絡会

  リモートによる会合は4月16日に開かれ6人が参加。新人が半年前から参加してい 

 て、『民主文学』掲載の作品合評をつづけている。次回は、5月22日開催、希望者は

 菱崎さんまで連絡を。関西文学研究集会は、コロナ禍でしばらく中断しているが、今年

 は開催をしようとの要望もあり、5月末リアルでの会合をもち相談をする。

 

2,京都文化団体連絡協議会(京都文連)

  第11回運営委員会が4月25日開催された。そこで報告、議論された支部関連の事

 項は次の通り。

 ∇文連ゼミ「今、聞いておきたい!京都文化団体の歴史」第4回は民主主義文学会の順

 番で、前回支部で相談し来年2,3月なら講師の都合がつくというので、それを報告2

 月頃に開催と決定。橋本支部長が報告する。

 ∇第57回京都文連定期総会は、6月24日(土)午後2時から河二ホールで開催され

 る。京都支部からは橋本支部長が代議員として、北村事務局長が運営委員として出席す

 る。活動報告の文書も提出する。

  

5月、6月の例会案内

  次回5月の例会と、6月の例会は、『京都民主文学』76号の総合合評を行います。

 日程と会場は以下のとおりです。ご出席をよろしくお願いします。

 ☆5月24日(水)午後1時から、ラボール京都6階円卓会議室

 ☆6月30日(金)午後1時から、ラボール京都4階第2会議室

 

 

2023年3月例会報告

 3月度の例会は、30日(木)午前11時から、ラボール京都4階第2会議室で、足立旻、菱崎博、風野真季、風早めい、野川ありき、北村あつむ、鯉島民子の、7人が出席しての開催となりました。今回は主には、『京都民主文学』76号の作品原稿の校正に充てられ、午後に、発行に向けての段取りや目次の確定、関連の文学、文化活動などの報告と論議をしました。主な内容は以下のとおりです。

 

1,京都文化団体連絡協議会の活動

  文連ゼミを先日開催。25人の参加で今回は映画サークルの歴史を学習。70年つづき、 

 始まりは、戦後間もない頃の東宝大争議で、自主制作、自主上映運動に始まる。そんな

 沿革を知った。次は、文学運動の順番を要請されているが、以前話した橋本支部長は、  

 多忙で年内開催は無理、来年1月か2月頃ならなんとかなる。文連の次回運営委員会で相

 談する。今年の文連総会は、6月24日(土)午後2時~4時30分、河二ホールである。

 支部からは橋本(代議員)、北村(運営委員)が参加する。

 

2,民主主義文学会関西支部連絡会

  3月20日にズーム会議をした。『民主文学』掲載の作品も合評している。総会をリア

 ルで開けないか模索している。5月の役員会はリアル開催で調整する。そこでは、関西

 文学研究集会の開催、文学教室も9月頃の開催が検討されている。

 

 

4月度の例会案内

 4月度の例会は、28日(金)午後1時から、ラボール京都4階第2会議室で開催します。主には、完成した『京都民主文学』76号の配本・発送作業をおこないます。ご参加をよろしくお願いします。

 

 

2023年2月例会報告

 2月度の例会は、9日(木)午後1時過ぎから、ラボール京都4階第2会議室で、北村あつむ、野川ありき、風早めい、風野真季、菱崎博、足立旻、鯉島民子、橋本宏一の8人の出席のもとで開催しました。主な内容は次のとおりです。

 

1,京都文化団体連拓協議会

  当面は、府立文化芸術会館保存運動で署名活動を展開、府も直ちに廃止できないとこ

 ろへ追い込んでいる。23日には集会も開催する。ご参加を。

 

2,『京都民主文学』76号発表作品の事前合評

  次の作品を合評しました。

  ①風野真季「文芸の小径。。松本清張『球形の荒野』」

  ②風野真季・エッセイ「揺らぐ星ー吹き渡る風よ」

  ③山際理子・創作「暁の星」

  ④菱崎博・連載創作「青春の色彩」最終回(17)

  ⑤鯉島民子・創作「こだわり」

 

 

 

2023年3月例会のご案内

 3月度の例会は、30日(木)午前11時からラボール京都4階第2会議室で、『京都民主文学』76号のゲラ原稿の校正作業を行います。ご参加をよろしくお願いします。

 

 

2023年度支部総会報告

 日本民主主義文学会京都支部の2023年度支部総会を、1月26日、ラボール京都第3会議室で開催しました。出席は、足立旻、風早めい、風野真季、北村あつむ、鯉島民子、山際理子、菱崎博、橋本宏一、の8人でした。

 最初に、橋本支部長があいさつ、議長を務めることを承認、総会が構成員の過半数の出席で成立していることを確認。北村事務局長が活動報告と方針案などの議案を提案しました。その主な柱を次のとおり。

 世の中が不安に満ち、国民の心も荒んだものになり始めているいま、人の心に寄り添い、潤いのある社会づくりが必要であり、そのために文学の果たす役割重要である。

 このなかで、わが支部は会員の高齢化など様々な困難な事情を抱えながらも、支部誌『京都民主文学』の年2回発行を中心に、創作と批評といった文学と関連する文化・芸術活動を関係する仲間たちと連帯しながあ進めてきた。

 市民向けの文学講座や文芸講演など活動を広げtる行事はコロナ禍などもあり実現できなかったが、新入会員を新たに迎えることができたことは評価できる。

 合評の在り方でも報告者を決めて作品を深く味わい分析し多角的に掘り下げて、学ぶよう工夫して一定の効果もあげた。さらに合宿などの形態で研鑽を積む計画は課題として残された。

 『京都民主文学』74号と75号の発行で、創作をはじめとする作品発表ができ、読んだ人からの評価も寄せられ一定の地歩を築いた。さらに創作を増やしていくことが重要。

 日本民主主義文学会の関西ブロック支部連絡会の「関西文学研究集会」はコロナ禍のため開催が見送られた。菱崎氏が代表として参加し会合の報告やリモートでの合評会案内などをされてきた。

 京都文化団体連絡協議会(京都文連)へは、北村事務局長を派遣し、運営委員会の報告や行事案内もして連帯と共同の運動に一定の貢献をしたきた。

 こうした総括に立って、来期は次の方針でのぞむ。

◇例会は月1回を原則として開催、方法の改善につとめる。

◇支部誌は4月と10月をめどに、年2回発行する。

◇作品向上のための研修会、他支部との交流を実施する。

◇文連との連帯と交流を進め共通の課題に取り組む。

◇新規会員の拡大を進める。

◇健全な財政維持のための工夫をする

 

こうした提案、会計報告及び予算案の提案を審議しました。

編集の過重負担軽減のための方策などが出され、パソコンの実施練習などで、ページ設定の方法を勉強することも決めました。

 提案と議論結果を全員で確認。次の役員を選出しました。

 

 支部長   橋本宏一

 事務局長  北村あつむ

 事務局   風早めい

 会計長   北村あつむ、副会計 鯉島民子

 会計監査  山際理子

 関西ブロック  代表:菱崎博  副代表:山際理子

 支部誌編集部  風野真季、風早めい

 文連派遣   北村あつむ

 

 

2023年2月例会案内

 2月の例会は、9日(木)午後1時から、ラボール京都4階第2会議室で開催します。『京都民主文学』76号の発行に向けて、作品の事前合評を行います。ご参加を。

 

 

2022年12月度例会報告

 12月の例会は、23日午後1時より、ラボール京都4階第2会議室に、足立旻、風野真季、山際理子、風早めい、北村あつむ、鯉島民子、菱崎博、野川ありき、橋本宏一の、9人が出席して開催しました。最初に文学運動、文化運動にかかわる報告があり、つづいて支部の当面の活動、「京都民主文学」76号の発行計画などについて相談をしました。その後メインの合評会に移りました。概要はつぎのとおり。

 

1,関西ブロック支部連絡会関連の情報と活動

  12月9日にリモートで会合し『民主文学』の作品合評もしている。次回は、1月1

 6日(月)『民主文学』1月号の作品合評(工藤勢津子作「加担者A」、風見梢太郎作 

 「ある依頼」、仙洞田一彦作「消えない記憶」)。1月15日(日)には「文学フリマ

 京都」(11月度報告に案内)もある。参加を。

  関西ブロック支部連絡会は1月に役員改選がある。病気などで交代がある。

 

2,全国水平社創立100周年記念中央集会

  1月14日(土)午後1時30分~4時30分

  京都教育文化センター・ホール

  第1部:記念スピーチ 

       「部落解放運動100年の教訓」 丹波正史氏(全国地域人権運動総連合代表委員)

  「部落問題解決の到達点」 石倉康次氏(部落問題研究所理事)

  「地域人権運動をめぐる状況」 新井直樹氏(全国地域人権運動総連合会事務局長)

  第2部:動画でみる100年」

  第3部:リレー報告

  参加費:1000円

  主催:全国水平社創立100周年記念事業実行委員3会

  問い合わせ先:公益社団法人部落問題研究所

         電話075-721-6018 

 

3,京都文化団体連絡協議会(文連)関係

  京都の文化団体の歴史を学ぶ学習会

  ぶんれんゼミは歌声協議会担当(12月25日)

  文化芸術会館の問題は、京都府が5年間存続を続けると発表、反対運動もあるが、行

  政上の問題からからか。コロナ学習会は12月21日開催、23人の参加。

 

4,「京都民主文学」76号の発行

  2月末原稿締め切り、4月20日発行をめざす

  75号はページが少なく、小説がわずかだった。ぜひ挑戦を。

  

5,今後の計画

  2023年度支部総会

  1月26日(木)午後1時~ラボール京都4階第3会議室

  「京都民主文学」76号発表原稿事前合評

  2月9日(木)午後1時~ラボール京都4階第2会議室、

 

6、『民主文学』12月号支部誌推薦作品の合評

  〇最優秀作「妻の微笑み」(菊池明作)

   『民主文学』1月号の130ページの北村隆志評が参考になる。「犯罪で逮捕された息

  子を持つ、父親の苦しみが切実だ。難しい題材に挑戦したことを高く評価した

  い。・・・父親としての自責の念と、責任から逃れたい気持ちがせめぎあうのは身に

  つまされる。会話がなくなった家族の重苦しい空気も、読みながらつらくなった」

  同時に北村氏も指摘しているが、合評でも次のような評が出された。

  *このような経験もあったから、わが身に引き寄せ大変な感動をもって読めた。よか

  った。最優秀作にふさわしい作品だ。

  *息子が何を考えているのかがわからない。淡々と描かれていて作品から伝わってこ

  ない。「初めてのサンタクロース」の方がよかった。

  *モチーフから、重い作品であることはわかる。モチーフの強さで評価しているよう

  にも思える。果たしてそれでよいのか疑問。

  *確かに推敲が不十分だ。であれば、これは重要な選考基準で、最優秀作に入れるべ

  きではないだろう。

  *タイトルが作品内容にふさわしくない。もっと工夫すべきだ。

  *子どもとの会話で説明をしているのが不満。妻との会話もおかしい。妻は夫に敬語

  を使い夫は日常語というのは対等な関係ではないという違和感がある。妻の心の変化

  も伝わってこない。

  *息子が手紙で訴えるのは腑に落ちない。小説なら態度、表情の描写で表現すべき

  だ。息子が脅迫されて傷害事件を起こしたのを知った親が何の行動もしないのもおか

  しい。

  *民主主義文学会の作品によくみられるステレオタイプの小説のようだ。子の非行、

  育て方の悩みや反省を題材として、最後は集団的に解決するという展開。そこに喜び

  があるとする。というパターン化されたあらすじでよいのか。甘ったるい気がする。

  自分たちがどうするのか、そこへの斬り込みがないし、修羅場が足りない。うまく解

  決できなくて切ないほうがよい。結局身内が解決しなければならないのが現実。

  *それなりの夫婦の現実は描かれている。苦しい情況の中から、微笑み出してきたと

  いうのが読みどころ。自分も「親の会」に入って模索したことがあり、いい意味でと

  らえた。「微笑み」でよかったと共感できる。

  *主人公の1人語りでレポートを書いている感じ。息子の描写、妻との関係が足りな  

  い。なぜこうなったのかが解明されたいないように思う。

  〇「母の引っ越し」(鬼頭洋一作)

  *妻の描き方薄い。葛藤がないのがキズ。読後感であまり印象が残らない。お母さん

  の方は良く描かれている。

  *山場がない。やはり描き方が薄い。

  *老母の介護を介護をすんなり引き受けるのがいい。姿勢に好感をもった。葛藤があ

  るだろうにと思うがカットされている。

  〇「振子乗車」(杉本増生作)

        *表現力のある作品だが、何かもう一つ物足りない。読んで焦る感じになる。気持ち

  はわかるが。

  *体験談だろうか。障害者のヘルパーは経験した場面に出てくるので読みやすかっ

  た。

  *障碍者に会った時の対応など、最後まで読ませる作品。接し方も学べる。

  〇「三春の桜の木の下で」(佐々木みのり作)

  *無手勝流の小説だというが、めちゃくちゃ書いているようだ。

  *投げやり、ハードボイルドなどともいわれるが、それが印象を強くする。

  *若さを感じさせる。

  〇「初めてのサンタクロース」(浜田美鈴作)

  *作者はゾラの「居酒屋」を読んでこれを書いたのではないか。

  *こういう作品は読みたくない。みじめで、しんどい。

  *題材に新鮮さがない。子を堕胎するとかという話は昔からよくあった。

  *救いがない。ごく少数の事例を取り上げている。

  *この作品が一番いい。最優秀作に推したい押したい。

  *読み手は作中の人物になりきって読んでいく。善悪では判断しない。柳美里の小説 

  などは悪い人の心にも入り込んで読んでしまう。優れた小説はそういうもの。この作

  品はそうではないのでついていけない。

  *選考委員の最上裕さんもこの作品を最優秀作に推した。産んだ子を放って逃げる人

  もたくさんいる。リアルに描いてあるし、女の人の語りがいい。 

 

2023年度支部総会のおしらせ 1月26日(木)午後1時~  ラボール京都4階第3会議室で開催します。ご参加を。

2022年11月度例会報告

 11月の例会は、21日午後1時より、ラボール京都4階第3会議室に、菱崎博、風野真季、横道しげ子、風早めい、北村あつむ、鯉島民子、足立旻、柳原一徳、橋本宏一の9人が出席して開催しました。最初に文学や文化運動などの関係事項の報告をして、メインの『京都民主文学』75号の全体合評をしました。以下その要旨を報告します。

 

1,民主主義文学会本部の企画「第7回文学フリマ京都」案内

  1月15日(日)午前11時より午後4時まで、京都市勧業館「みやこめっせ」1階第

 二展示場で「文学プリマ京都7」が開催される(入場無料)。

 『民主文学』『京都民主文学』など著作本を展示して販売氏名もできる。

  指名もあり鯉島さんを担当として配置。

  販売希望者は、下記へ、12月31日までに郵送のこと。

  〒611-0013宇治市兎道荒槇1-67 梅原健史宛

  作品は原則寄贈、簡単な作品紹介(本の帯程度)を

  問い合わせは 梅原携帯090-7493-5016 へ

 

2,京都文連(文化団体連絡協議会)

  コロナと文化についての学習会

  12月11日(日)午後2時~河二ホールで、参加費500円

  文連ゼミも計画中  

 

3,支部誌推薦作品コンクール

  鯉島さんの作品「めぐる季節」4が最終選考まで残るが、入選に至らず、残念

 

4、『京都民主文学』75号全体合評

  ◇創作「青春の色彩16」

   いよいよ終章にきたという感じ。本にしてくれとの感想もある。

   教条的な印象をうけるとこ   ろもある。今の意識でいうと言葉が違ってくるのでは

        ないか。

   次回で上巻が終わる。

  ◇創作「レッドパージ」

   どこの学校やとの問いを発したくなる。

   実際に経験した話。実在の人物が登場する。K氏から「こんなん小説違う」と言わ

  れた。

   戦後の反動攻勢を作品にできたのは貴重。いい作品だ。出来事の推移がよく書かれ 

    ている。途中でくじけそうになったり疑いをもつとろが書けていればもっとよくな

      る。

          当時の占領軍のやり方、わかってほしい。

  ◇エッセイ「ウクライナ侵略とロシア文学」

   『民主文学』でも同じようなテーマの分がある。ドストエフスキーの論評から戦争

   非難している。

    感動を覚えた。

    ロシア文学を読んだ時を思い出した。

  ◇エッセイ「吹き通る風よ」

   現在の問題を取り上げ的確にと論評している。文章がしっかりしている。

  ◇評論「金石範文学の世界」

   非常な対策だ。金石範氏からも、他支部などからも称賛が届いている。

   「火山島」を読んでいない人にもわかるように書いてある。

   人物の紹介で動きもわかる。

   作家の物語づくり力量が知れる。

   最後、主人公・イバングンの死には考えさせられる。

   日本のマスコミが正しい情報を伝えていないことを思った。

  ◇エッセイ「村の風景 秋の七草 葛と尾花」

   戦後の現状、村の歴史を述べている。政治批判もある。

   さすがだなーという感じ。   

   生活見つめた変容、京丹波の町の悲哀を感じる。

  ◇エッセイ「動物園」

   天真爛漫なところが好感をもてる。

   愛情が情景を表現している。

   成長がわかる。

  ◇リレーエッセイ「文芸の小径23回」「ぶらりと京都東京極大路」

   木曽ひかるさんも行ってみたいとの感想を寄せている。

   和泉式部の墓も興味を誘う。

   これだけ今昔の跡を書いたのがすごい。現代と過去が行き来する。

   深い知識に人物が入っているし、本にできる。

 

 

12月度例会案内

  12月度の例会は、23日(金)午後1時から、ラボール京都4回第3会議室で、『民主文学』12月号掲載の支部誌推薦作の最優秀作「妻の微笑み」と入選作品を合評します。当日は12月号を持参してください。

 

 

2022年10月度例会報告

  10月度の例会は、24日午後1時過ぎ、ラボール京都4階第2会議室に、風野真季、足立旻、北村あつむ、風早めい、鯉島民子、橋本宏一の6人が出席して開催しました。完成した『京都民主文学』75号の配本・発送をしました。表紙及び目次を貼りつけておきます。

 

11月度例会案内

11月度の例会は、21日(月)午後1時から、ラボール京都4階第3会議室で、『京都民主文学』75号の総合合評を行います。ご参加をよろしくおねがいします。

2022年9月例会報告

  9月度の例会は、29日、ラボール京都4階第3会議室に、風野真季、足立旻、北村

 あつむ、風早めい、鯉島民子、橋本宏一の7人が集まって開催しました。主には、『京

 都民主文学』75号の発行に向けて、午前10時からその掲載原稿を校正しました。午

 後には、文学や文化運動にかかわる報告や次号の作品掲載順(目次)、発行日程などを

 決めました。今回は創作が少なく、ページ数も126ページ(73号216ページ、74号200ペ

 ージ)と、やや薄い仕上がりとなる見込み。報告や決定した事項はつぎのとおりです。

 

1,関西ブロック支部連絡会議19日の次は、10月17日で、『民主文学』掲載作品を

  リモートによる会議を継続中、9月19日の次は、10月17日に開催、『民主文学』10月

 号の大浦ふみ子、石井あきら作品を合評予定。参加希望者は田村好男さんへ。

 日本共産党文化後援会が、10月22日「みやこメッセ」でフェスタを開催する、参加を。

 文化企画も検討中。

 

2,京都文化団体連絡協議会

         9月20日の運営委員会報告(会議レジュメ)。団体交流「文連ゼミ」午後2時~河

  二ホール、人形劇団京芸のあゆみ お話:田山桂子さん

   きょうぶんまつり石垣島公演報告会:9月24日実施

   コロナと文化の問題学習会:12月11日(日)午後2時~河二ホール、講師・守田

  敏也氏 

 

3,『京都民主文学』75号について

  完成納品は10月10月124日(月) 

 

10月度例会案内

   10月度の例会は完成した『京都民主文学』75号の配本と発送になります。10

  月24日(月)午後1時から、ラボール京都4階第2会議室でおこないます。ご参加

  をよろしくお願いします。

 

 

2022年8月例会報告

  8月の例会は、26日(金)午後1時過ぎからラボール京都4階第2会議室に、北村あつむ、野川ありき、風早めい、風野真季、菱崎博、足立旻、鯉島民子、柳原一徳、橋本宏一の9人が出席して開催しました。主には『京都民主文学』75号の発行に向けて、掲載作品の原稿を事前合評をしました。最初に、文学運動、文化活動、75号の編集にかかわっての報告もおこなわれました。主な内容は以下のとおりです。

 

1,関西ブロック支部連絡会関係

  リモートでの会合を合評会と兼ねて実施中、合評作品は『民主 文学』7月号作品。ま 

 た大阪では「文学カフェ」も開催される。希望者は菱崎まで。

 

2,京都文化団体連絡協議会(文連)

  前回からほぼ変わりなし。きょうぶんまつりの報告会が

9月24日(土)午後2時か

 ら、長浜バイオ大学京都キャンパスで開催される。希望者は北村まで。

 

3,『京都民主文学』75号の発行について

  発表予定

  足立 創作

  北村 「文芸の小径・京都寺町通逍遥」

  菱崎 創作の連載「青春の色彩」

  野川 エッセイ

  橋本 エッセイ「ウクライナ侵略とロシア文学」

  鯉島 エッセイ「動物園」

  風野 評論「金石範文学の世界」、エッセイ「吹き透る風」

  加藤節子 短歌

  原稿締め切りは9月4日、風早めいさんまで送信ください。

 これらのうちから北村、菱崎、橋本、風野(エッセイ)、鯉島の作品原稿を事前合評し

 ました。

 

 

 

9月例会のご案内

  9月例会は、29日(木)午前10時から午後5時まで、ラボール京都4階第3会議

 室で、『京都民主文学』75号の作品原稿を校正します。ご参加をよろしくお願いしま

 す。

 

 

2022年7月例会報告

  7月の例会は、28日午後1時過ぎ、ラボール京都4階第2会議室に、北村あつむ、野

 川ありき、風野真季、菱崎博、足立旻、鯉島民子、中村映(文華支部)、橋本宏一の、8

 人が出席して開催しました。最初に文学運動、文化活動関連の報告と議論をして、『民

 主文学』6月号掲載の新人賞受賞作「なにが食べたい?」(上村ユタカ作)を合評しま

 した。決定事項や議論の論点を以下報告します。

 

1,関西ブロック支部連絡会

  定期的にリモート会議を開催、作品合評も継続中

 

2,京都文化団体連絡協議会(京都文連)の活動

  7月26日運営委員会(別紙レジュメ)で、石垣島企画の報告、今後文連ひろば、団

 体交流会、学習会を計画する。学習会講師に歌人で生物学者の永田和宏氏を推薦。

 

3,支部誌・同人誌推薦作として京都支部からは鯉島民子作「眠れぬ秋の夜」を提出する 

 ことに決定。

 

4,『京都民主文学』75号の発行に向けて

  原稿締め切例は8月末、次回例会(8月26日)2日前には風早さんへメール送信す

 ること。

 

5、「なにが食べたい?」合評

  北村あつむ、風野真季さんが報告文書を用意、2人の報告を受けて感想、意見を出し 

 合いました。

  ◆好感をもって一気に読み通すことができた。理知的で現代生じている問題を網羅し、こ 

 とばを巧みに駆使して作品を読ませる。新人とは思えない手慣れた表現で作品を興味あ

 るものにしている。あまり脈略がないところもあるが、若い人の文章としてはこれでよ

 いのかとも思う。個人主義に生きているような若者であるが、実は父と子の関係、母と

 の関係や、親と子の問題など現代の家族関係の在り方を、さらに友達を通じた社会との

 かかわりの問題をテーマにしている。旧人に対して新人の作品、世代交代を感じさせ

 る。

 ◆いままで『民主文学』の作品にはみられなかった作者の登場だ。感性が豊かで文章が

 新鮮。

 ◆ついていけない表現法もあり衝撃を受ける。外国語を日本語風に改造して会話に取り

 込んだりするのも面白い。意外性にはっとなる。

 ◆必ずしもリアリズムに徹していないがフィクションとわかっていても納得のいく設

 定。1週間食べなければどうなるか、ちょっと違うのではという疑問もあるが、強いモチ

 ーフがそれを凌駕している。 

 

8月度例会案内

  8月の例会は、26日(金)午後1時から、ラボール京都4階第2会議室で開催しま

 す。主な内容は『京都民主文学』75号の原稿を事前合評します。遅くとも例会2日前

 には風早さんへデータでメール送信してください。

 

 

2022年6月例会報告

 6月の例会は、23日午後1時過ぎ、ラボール京都4階第2会議室に、風野真季、足立旻、北村あつむ、風早めい、野川ありき、鯉島民子、橋本宏一の、7人が出席して開催しました。最初に文学、文化活動関連の報告をして、そのあと『京都民主文学』74号の全体合評をしました。主な内容は次のとおりです。

 

1,京都文連(文化団体連絡協議会)について

  第56回定期総会が6月12日、河二ホールで開催され活動報 

 告、方針が採択された(資料回覧)。京都支部から北村(運営委 

 員)、橋本(代議員)が参加し、支部活動や文連の行事などで発言

 した。『京都民主文学』で初期の歌声運動を扱った小説が掲載され

 ていることなどを紹介するとともに、歌声や映画サークル、劇団の

 仲間たちとの絆を強めた。

  今後、さらに文化団体の歴史学習会、交流会を進めていく。当面  

 は石垣島での「きょうぶん祭り」を実施。

2,支部活動

  前回、第19回『民主文学』新人賞「なに食べたい?」の作

 者、上村ユタカさんを招いて、7月か8月に合評会をしたいとの提

 案があり、上村さんに打診したところ、7月は大学の試験期間、8

 月は帰省で都合がつかないとのことだった。したがって、7月例会

 は本人なしで新人賞作品と佳作作品「雪あかりの振り袖」の合評を

 することに決定。

 

2,『京都民主文学』74号全体合評

  創作・連載「青春の色彩」十五

   報告:橋本宏一

  創作・連載「堀川家の人々」

   報告:鯉島民子

  

次回例会案内

次回例会は、7月28日(木)午後1時から、ラボール京都4階第2会議室で、『民主文学』新人賞受賞作「なに食べたい」、佳作「雪あかりの振り袖」の合評、および『京都民主文学』74号の創作以外の作品についても合評をします。

2022年5月例会報告

 5月の例会は、26日午後1時過ぎ、ラボール京都に、足立旻、風野真季、野川ありき、鯉島民子、風早めい、北村あつむ、佐々木俊郎、橋本宏一の、8人が出席して開催しました。

 最初に文化芸術活動、文学運動関連の報告があり、つづいて『京都民主文学』74号の全体合評をしました。以下、その要旨を列挙しておきます。

 

1,京都文連(文化団体連絡協議会)について

  5月24日開催の運営委員会(資料添付)報告

  6月12日開催の定期総会には北村(運営委員)、橋本(代議員)が出席

  石垣島での「きょうぶん祭り」には支部から出席なし、支部から広告料カンパ

 

2,「民主文学」新人賞「なにか食べたい?」の作者を招き合評する件

  第19回民主文学新人賞(小説)受賞作「なにか食べたい?」の作者、上村ユタカさ

 んは佐賀支部の所属ではあるが京都市在住の大学生(京都芸術大学)でもあり、ご本人

 を支部例会に招き作品合評したいとの提案があった。相談した結果、時間がとりやすい

 とりやすいとみられる7月、8月の例会にご本人出席の作品合評をするとの計画で連絡

 をとることを決定。

 

3、『京都民主文学』74号全体合評(前半創作作品)

 ①「二十三年目の夏ー母の自分史』

   報告 野川ありき

 ②「眠れぬ秋の夜」

   報告 風早めい

 ③「音痴コーラス お茶畑」

   報告 北村あつむ

 

次回例会は、6月23日(木)午後1時から、ラボール京都4階第2会議室で開催します。『京都民主文学』74号の総合合評後半(「青春の色彩」―橋本報告「堀川家の人々」ー鯉島報告)を行います。

2022年4月例会報告

 4月の例会は、27日午後1時過ぎから、ラボール京都4階第3会議室に、菱崎博、野川ありき、風野真季、風早めい、北村あつむ、足立旻、鯉島民子、橋本宏一の8人が出席して開催しました。主には、完成した『京都民主文学』74号の配本と発送作業をしましたが、文学活動、文化芸術活動の報告と議論も若干ありました。以下議と要旨を報告しておきます。

 

1,関西ブロック支部連絡会の活動

  リモート会議を継続中。「民主文学」掲載の作品合評をしている。次回は5月16日、 

 「民主文学」5月号掲載の「コスモスの咲く頃に」、宮本阿伎さんのシンポジウム問題

 提起について合評、申し込みは田村好男さん(連絡先は菱崎さんへ)

 

2,「舞鶴湾の風」について

  依頼され、京都民主運動史を語る会発行の「燎原」に解説を発表した。水平社宣言 

 100年の意義ある時期でもあり、希望者は連絡を。

 

3,京都文連(文化団体連絡協議会)の活動

  第56回定期総会が6月12日午後2時から河二ホールで開催される。支部からは、北村

 (運営委員)、代議員として橋本が出席する。関連する報告文書も提出しておく。

  知事選カンパやぶんれんまつりについての報告、支部宣伝ポスター改編

 

4,『京都民主文学』74号を配本、発送

  執筆者、支部構成員、友誼団体、新聞社、「民主文学」編集部などへ発送

 

5月、6月の例会案内

 5月例会は、26日(木)午後1時から、ラボール京都4階第2会議室で、『京都民主文学』74号前半(創作「眠れぬ秋の夜」報告:風早、「音痴コーラス」報告:北村、「二十三年目の夏」報告:野川)を合評します。

 6月例会は、23日(木)午後1時から、ラボール京都4階第2会議室で、『京都民主文学』74号の後半(創作「青春の色彩」報告:橋本、「堀川家の人々」報告:鯉島)の合評をおこないます。

 

2022年3月例会報告

 3月度の例会は、25日2(金)午前10時~午後5時まで、ラボール京都4階第3会議室に、風野真季、風早めい、足立旻、北村あつむ、鯉島民子、菱崎博、橋本宏一の7人が出席して開催しました。今回は、『京都民主文学』74号の発行に向けて、その掲載作品の原稿校正作業をやりました。それにかかわって、作品掲載の順番を相談して決めました。冒頭を飾るのは「水平社宣言」百年の節目でもあり、それにふさわしい鯉島作品となりました。また、若干のコメントも掲げようと準備もしています。

 次回の例会は、4月27日(水)午後1時~、ラボール京都4階第3会議室で、『京都民主文学』74号の配本と発送作業を行います。

2022年2月例会報告

  2月の支部例会は、24日午後1時過ぎから、ラボール京都4階第2会議室に、北村あつむ、鯉島民子、山際理子、風野真季、足立旻、風早 

 めい、菱崎博、橋本宏一、の7人が出席して開催しました。主な内容は次のとおりです。

 

1,「京都民主文学」74号の編集、発行の計画

  原稿締め切り2月28日→編集係(風早、風野)が目を通して編集、印刷業者へ→ゲラ刷り校正(3月25日)→発行・発送4月27日

  作品原稿の提出情況から前号並みのページになる見込み

 

2,京都文連(文化団体連絡協議会)関連

  運営委員会報告(添付文書あり)

  京都府知事選挙にあたり、梶川憲さんを支部として推薦(決定)、今後府の文化活動助成、文化施設拡充、文学館創設の政策実現と合わせて

  応援していく。「民主府政の会」にも文化の会として参加、活動を推進する。

  団体交流「文連ゼミ」 新美2022公募展 3月29日(火)午前11時京都市京セラ美術館1階北の現地集合して作品鑑賞と意見交換会

  第56回京都文連定期総会 6月12日(日)午後2時~河二ホール

  きょうぶんまつり2022石垣公演 6月25・26日 石垣市民会館・中ホール  ツアー費用5万円ほど

 

3,関西ブロック支部連絡会

  リモート会議での交流続行中 2月は8人が参加

 

4,会計引き継ぎの件

  担当者の負担軽減のため会費納入の現金の受け渡 しを簡素化します。年2回納入とし、5月例会時に前期半年分、9月例会時に後記半 

 年分各6000円を担当者に納めてください。

 

5,「京都民主文学」74号作品原稿事前合評

  次の作品を合評し、文章構成、字句などについて意見を出し合いました。

 ▼創作「眠れぬ秋の夜」 鯉島民子作

 ▼創作「土曜日」 山際理子作

 ▼エッセイ「日記」 橋本宏一作

 ▼文芸の小径 第二一回 「雁の寺」と水上勉文学の舞台 橋本宏一作

 

 次回3月例会、及び次々回4月例会のおしらせ

 *3月25日(金)午前10時~午後5時  ラボール京都4階第3会議室  「京都民主文学」74号ゲラ原稿の校正作業

 *4月27日(水)午後1時~ ラボール京都4階第3会議室  「京都民主文学」74号の配本と発送作業  

 

 

 

2021年度支部総会報告

2021年度の支部総会は、1月22日(金)午後1時過ぎから、ラボール京都4階第3会議室に、足立旻、風野真季、野川ありき、鯉島民子、山際理子、北村あつむ、橋本宏一の7人の出席で開催しました。

 総会は、議長に橋本、記録係に山際を選び進行しました。総会議事の概要は以下の通りです。

 

  橋本支部長あいさつ

 支部の活動は、コロナ禍の影響で制約を余儀なくされながらも、毎月の例会を開催し、支部員の作品の合評を軸に展開し、年2回の支部誌発行を堅持してきた。例会での合評がわが支部誌の作品の質を高めていることは疑いなく、『民主文学』の支部誌サークル誌の批評で取り上げられている。しかし、当初の企画だった、支部の外へ働きかける活動、他支部との交流や一般の市民の参加を得て文学を語り学ぶ活動まで手が伸ばせなかったのは残念だ。例会の在り方ももっと工夫改善をして、実り多いものにしたい。

 

  北村事務局長の活動報告と総括

 つづいて、北村事務局長が活動報告をしました。主な内容は次の通りです。 

 コロナウイルスの流行、感染拡大の影響と構成員の高齢化もあって総会で決めた新たな開拓などができなかった。

 他支部との交流、例会の改善ともっと深く創作と合評をする計画も実施できなかった。

 それでも、例会は毎月一回全員出席にはならなかったが持続できた。報告は毎回ホームページでアップロードして一般公開している。

 若い年代層など一般の読者を拡大するための工夫と努力が求められる。さらに例会の在り方を改善する必要がある。

 青年層の自暴自棄による犯罪や自死が発生するなど他者を思いやる余裕がなくなり精神的荒廃もみられるなか、生きる勇気とやさしさを醸し出す創作の大切さが改めて期待される。支部はその期待にこたえようと、意欲的作品を発表し、年2回の発行をした。いずれも200頁をこえる内容のあるものとなった。

 長きにわたり支部で創作に携わってきた佐藤文磨さんが亡くなられた。突然の訃報に驚き悲嘆にくれたが、73号において佐藤さんの足跡をたどり、追悼の想いを特集した。佐藤さんの遺志を大切に創作に励みたい。

 この間に岸田内閣が誕生したが、新しい資本主義などと中身のない言葉だけが喧伝され、基本的に「安倍・菅政治」を継続している。文化活動の貧困さはそのまま、人間性を取り戻す文化や芸術への渇望がさらに強まっている。文学における創作活動を通じて、社会への潤いを提供していこう。

 関西文学研究集会は、コロナ禍で今回も中止を余儀なくされた。主催となる関西ブロック支部連絡会もリモートによる会議などで連携をとってきた。新たな展開を期待している。

 京都文化団体連絡協議会(文連)には、北村を派遣し文化団体との交流をはかってきた。3月のコロナウイルス学習会、6月の定期総会、10月のコロナと文化学習会、12月の文連ゼミなど。今後美術、児童劇団、映画サークルとの交流も計画されているので参加したい。

 京都府、京都市へは緊急事態宣言での措置に対する抗議文提出も行ってきた。

 

 出された意見

◇例会の合評で報告者を決めて、報告を土台に議論をする形式にしたのは良かった。これを生かそう。

◇例会報告はホームページで誰でもみられるようになっている。支部員が検索してみれば欠席していても大体の内容が知れる。 

◇支部誌の年2回発行は全国の数ある支部のなかで数少ない。よく頑張っている方だ。編集係の尽力の賜物だ。

◇会員外の寄稿も大事。著名人に原稿依頼してはどうか。

◇名前もだが、作品のもつ力の方がもっと大事だ。山本隆さんの作品はその証左、岩倉病院の話も父親の話も評判になった。

◇すぐれた作品を書いてくれそうな寄稿者を募ってはどうか。そこから入会の話もできようし、拡大につながる。

◇他支部との交流では、例会に招待してその人の作品合評した経験があり、また企画したい。

 

  2022年度の活動方針

 〇支部例会は月1回定期に開催する。合評会などの改善をさらにはかる。

 〇支部誌「京都民主文学」は年2回、おおむね4月と10月の発行をする。

 〇作品向上のための研修会を実施する。他支部との交流も企画する。ただし、コロナ禍の情況をみて実施を判断する。

 〇京都文連との交流も進め、文化芸術振興の課題達成のための活動にも取り組む。運営委員も派遣する。

 〇新規会員の募集に取り組む

 

  2021年度会計報告・監査報告

 野川ありき会計より21年の決算、北村事務局長の監査報告を全員で承認。

 

  選出された2022年度役員

  支部長     橋本宏一

  事務局長    北村兊(あつむ)

  事務局     風早めい

  会計      鯉島民子(現金取り扱い)、北村(管理)

  会計監査    山際理子

  支部誌編集部  風野真季、風早めい

  関西ブロック  代表・菱崎博、副代表・山際

  文連運営委員  北村

 

 

2022年2月度例会案内

   2月度の例会は、24日(木)午後1時からラボール京都4階第2会議室で、『京都民主文学』74号の原稿を事前合評します。原稿し 

  め切りは、2月28日ですので合評できるよう4,5日前には支部員に届くよう作品を送ってください。

 

 

2021年度1月例会報告

      2021年度1月の例会は、1月14日(金)午後1時過ぎから、ラボール京都4階第2会議室に、足立旻、菱崎博、鯉島民子、風野真

 季、野川ありき、風早めい、北村あつむ、橋本宏一の8人が出席して開催しました。

 最初に『京都民主文学』74号の編集と発行について提案があり、原稿の締め切りを2月末日にすることを確認しました。締め切りめざし

 て各自積極的に仕上げるようお3願いします。

  つづいて『京都民主文学』73号の全体合評をしていない下記作品について若干感想を述べあいました。

 ▼エッセイ「大好き 井上ひさし XⅢ 戯曲に小説に秀作が続く直木賞受賞後」 

 ▼リレーエッセイ「文芸の小径 第20回 薄命の歌人 伊賀十詩夫ー心の叫びー

 

  休憩後、『民主文学』12月号の支部誌同人誌推薦作から最優秀作に選ばれた「じいちゃんが死んだ」と入選作「ばあちゃんの匂い」を

 合評しました。報告者、出された特徴的な意見は次のとおりです。

 

 〇「じいちゃんが死んだ」(松本凛作)ー報告者:北村あつむ

  ・介護をする自助のよい家族として作っている。脳性麻痺のようだと一般化してしまう表現は問題ではないか。差別とも受け取れる。

  ・差別は表現によって被害を被る人がいるかどうかを基準に考えるべき。私らが表現する場合、この5行は入れなくともよいのではない

  か。実態を通じて訴えるので支障はない。

  ・島崎藤村の「破戒」でも当時水平社の内部から差別だという批判が起こっている。批評のいろいろな声はあってしかるべきで、それを

  どう生かしていくのかがわれわれの立場。

  ・素直にスカッと読めた。リアルで差別とは言えない。15歳の視点に何の違和感も感じない。よく描けている。

  ・この作品をおじいちゃんが読んだら喜ぶか。作品化されることをいやだと思うだろう。介護日記ならともかく、このような書き方は疑

  問だ。言葉を選ぶべきで、文章が雑、おじいちゃんの思考とか来歴を考えるとか工夫がいる。

  ・優秀作というのはどうか。主人公の表面は描けても内面の悩みはあまりない。なぜ自分はという悩みを掘り下げてほしい。

  ・文体のよさに引かれる。15歳の目と得体の知れない老人の交錯は適格。

  ・最初、こんなん読まんとこうと思ったが、もう一回読んだらなかなかよいと感じた。

  ・差別だとの意見が出されたのなら選考委員会なりでは何らかのコメントは出すべきではないか。

  ・この作品の表現では、差別にあまりこだわらなくてもよいのではないか。差別かどうかに焦点を当てると、本来の作品批評から逸脱し

  て文芸評論が飛んでしまう。

 

  〇「ばあちゃんの匂い」(森ゆみ子作)ー報告者:山際理子(代読)

  ・社会的問題を真正面から取り上げた作品だ。不安定雇用の主人公にヤングケアラーという問題での群像がよく描けている。

  ・最後のシーンでばあちゃんの匂いがするというのを読んで胸にジーンときた。

  ・生徒は奈波中心で他の子との関係が浮き彫りになってこなかった。

  ・千恵の夫の存在はどうか、小説には「一度置いたものは使わなければならない」という格言があるが。

  ・千恵の在り方をとう自問自答を補助する存在ではないのか。

  ・描写の工夫はよくされている。特に48p上段など。

  ・あらすじの運び方がうまい。安心して読める。最後はどうなるのかで終わる。読者に想像させ、先を考えさせるのがいい。

  ・加齢臭だと思ったというのは疑問だ。

  ・46pの上段がいい。教育の現場はこれでいいのかがよくわかる。最後の先生の答え方におどろいた。あいまいぶりが出ていて、希望の  

  見えない終わり方でよかったと思う。

  ・奈波が手を尽くすところを書いて欲しかった。

 

  すでにおしらせしましたように、次回は支部総会です。1月26日(水)午後1時から、ラボール京都4階第3会議室で開催します。

 

 

 

 

 

2021年度12月例会報告

  本年最後となる12月例会は、12月22日(水)午後1時過ぎから、ラボール京都4階第3会議室において、菱崎博、風野真季、風早

 めい、野川ありき、北村あつむ、足立旻、鯉島民子、山際理子、横道しげ子、橋本宏一の10人が出席して開催しました。主には、『京都

 民主文学』73号の総合合評をしましたが、文化と文学運動で報告、議論した関連事項は以下のとおりです。

 

 1,京都文化団体連絡協議会(京都文連)の活動

   12月21日運営委員会開催(報告文書添付)、所属文化団体の交流を深める企画「文連ゼミ」が12月16日が開かれ、「音楽サー

  クル協議会とうたごえ協議会の二つの合唱団体の歴史」として語られた。参加32人、京都の文化運動の歴史を知るうえで貴重。次回は

  60年安保闘争のころのうた声、音楽運動を学ぶ、5月頃を予定。最近の文連の動きは「文連ニュース」(添付)参照。

   きょうぶんまつり2022石垣公演は、6月25日(土)・26日(日)、石垣市民会館中ホールでの開催と決定。追って詳報。

 

 2,民主主義文学会関西ブロック支部連絡会議関係

   12月20日(月)リモートでの関西ブロック会議と作品合評会を開催、8人が参加した。『民主文学』12月号掲載の「じいちゃんが 

  死んだ」(支部誌・同人誌推薦作品特集、優秀作)について、視覚障がい者で大阪の支部で創作評論活動しているTさんから差別ととれ

  る表現があるとの指摘がされ、すでに12月18日民主主義文学会本部でのネットによる作品合評会にもその旨の意見を提出した。選考

  委員・編集委員会などからのコメントはないという。京都支部は1月14日(金)の次回例会でそれらの作品合評会を計画しており、こ

  の問題提起も含めて議論を深める方針。

 

 3,『京都民主文学』73号総合合評

   ◇創作「二十三年目の夏(二)」佐々木俊郎作・・・・・・・・・・・・・報告者:鯉島

   ◇創作(連載)「青春の色彩(十四)」菱崎博作・・・・・・・・・・・・全員で感想を出し合いました

   ◇創作(連載)「堀川家の人々(又蔵の生きた時代)」北村あつむ作・・・報告者:風野

   以上の三作品について様々な角度から感想や意見が出されました。

 

 

(次回例会は、1月14日(金)午後1時から、ラボール京都4階第2会議室で、『民主文学12月号の優秀作「じいちゃんが死んだ」、入選作「ばあちゃんの匂い」を、北村あつむさんと山際理子さんの報告でおこないます。その他の入選作も感想を出し合います。ご参加を。なお、1月26日(水)午後1時からはラボール京都4階大3会議室で2022年度支部総会を計画しています。終了後の食事をしながらの懇親会もやります。参加をお願いします。

 

 

 

2021年度11月例会報告

  11月例会は、12日(金)午後1時過ぎ、ラボール京都4階第2会議室に、北村萃、菱崎博、足立旻、野川ありき、鯉島民子、橋本宏一の、6人が出席して開催しました。主には、『京都民主文学』73号の総合合評(前半部)をしましたが、その主な内容は以下のとおりです。

 

1、民主主義文学会関西ブロック支部連絡会

  リモート参加の会議を継続。11月15日は『民主文学』11月号の2作品,「忘れ物は重かった」(杉山成子)、「七三一部隊罪障陳列

 館」(寛宏信)を合評して会議をした。会議では来年の関西文学研究集会を検討している。リモート参加希望者は田村好男氏へ・

 

2,『舞鶴湾の風』

  部落問題研究者集会分科会での論議が報告文書になる。資料を添付で送るので読んでいただきたい。

 

3,京都文連(文化団体連絡協議会)

  「パンデミックを生きる指針」(講師:藤原辰史京都大学准教授)学習会はほぼ満席で成功した。構造的暴力に

 脅かされる時代、文化で人が人を支える大切さを学ぶよい機会となった。支部から北村、橋本参加。今後は、12

 月16日、文連ゼミで「今、きいておきたい!京都文化団体の歴史」で音楽サークルとうた声協議会について、山

 本忠生さんなどのお話、会場は長浜バイオ大学京都キャンパス内(府立医大病院前)「にしぶん広小路」、参加費

 500円

 

4,支部交流

  『民主文学』12月号掲載、「ばあちゃんの匂い」(森ゆみ子)は同人誌「たまゆら」所蔵作品。「たまゆら」の連絡先が京都 

 市伏見区であることから連絡をとり、「たまゆら」を送っていただき、こちらも73号を送りました。たまゆらの作品合評もおこなう1月の例  

 会に参加をいただければ、交流もできるので進めてみることになった。

 

5,『京都民主文学』73号総合合評

 創作「あすなろ」 報告・野川ありき

 創作「金本君のこと」 報告・橋本宏一

 創作「めぐる季節」 報告・北村あつむ

  報告に基づき、各自感想と意見を出し合い、作者本人からも創作動機などを語ってもらいました。

 

 次回例会

 次回例会は、12月22日(水)午後1時から、ラボール京都4階第3会議室で、総合合評(後半)をします。なお、創作報告者は、「二十三年目の夏」鯉島民子、「堀川家の人々」風野真季、「青春の色彩」風早めい、の担当でお願いします。その他の作品は各自から感想を出し合います。

 

 

 

2021年度10月例会報告

  10月の例会は、27日(水)午後1時より4時まで、ラボール京都4階第3会議室に、横道しげ子、風早めい、足立旻、風野真季、野川 

 ありき、鯉島民子、菱崎博、北村あつむ、橋本宏一、の9人が出席して開催しました。主には、完成した『京都民主文学』73号(表紙、目次

 は上記のとおり)の配本と発送作業をしましたが、若干文化、文学活動などについても議論しましたので以下報しておきます

 

1,関西ブロック支部連絡会

  リモートによる会合(運営委員会)と作品合評を継続中。

 

2,「舞鶴湾の風」

  京都部落問題研究所主催の「第5回部落問題研究者全国集会」分科会で報告と討論がされた。「舞鶴湾の風」の舞台や年代などの歴史考証について

 の真実性確かめる発言が多くあり、それにこたえる作品として書いた旨説明をした。続編を書いて欲しいとの声も寄せられ、作者として責

 任の重さ感じている。

  

3,京都文連(文化団体連絡協議会)

  10月26日運営委員会開催、21年度文連ゼミ(12月16日午後7時~にしぶん広小路)では「聞いておきたい京都の文化団体の歴史」、第3回

 コロナ学習会(27日、教文センター)には、支部から北村、橋本参加、きょうぶんまつりは来年6月24日(金)~26日(日)、石垣市民会

 館で。詳細は追って決定。

 

4,『京都民主文学』73号の配本、発送

 300部印刷発行。原稿料に応じて部数を分担、多い人の分を融通し合いました。『民主文学』編集部や、交流している文学会、仲間のところ 

 にも発送しました。残り部数30部。希望者には1冊800円で販売。

 

5,今後の日程

  11月度例会は、12日(金)午後1時~ラボール京都4階第2会議室で『京都民主文学』73号全体合評(前半)

  12月度例会は、22日(水)午後1時~ラボール京都4階第3会議室で『京都民主文学』73号全体合評(後半)

  1月度例会は、14日(金)午後1時~ラボール京都4階第2会議室で『民主文学』12月号支部誌推薦優秀作、入選作合評

  2022年度支部総会は、1月26日(水)午後1時~ラボール京都4階第3会議室で開催

 

 

 

2021年度9月例会報告

  9月の例会は、29日(水)午前10時から午後4時まで、ラボール京都4階第4会議室に、風野真季、北村あつむ、足立旻、風早め

 い、菱  崎博、野川ありき、鯉島民子、橋本宏一の8人が出席して開催しました。主には、『京都民主文学』73号のゲラ原稿の校正作業を

 行いまし た。午後、文化、文学活動での報告と議論、73号の目次などを相談して決めました。主な内容は次のとおりです。

 

 1,関西ブロック支部連絡会

   9月20日リモート運営委員会を開催、作品合評もしている。『民主文学』9月号掲載の川本幹子作品「伸ばした手の先に」も合評した。

  高いレベルの作品との評価だった。

 

 2,『舞鶴湾の風』について

   8月8日舞鶴市で読者のつどいを開催。5人が参加した。作者の小説を書いた動機、取材のエピソードなど語り懇談。当日大雨で参加を取

  りやめた人もあり、また開こうとなった。

   第59回部落問題研究者全国集会(10月23日・24日、部落問題研究所で開催)でも、二日目分科会⑤思

  想・文化のコーナーで「『舞鶴湾

  の風』を読む」で秦重雄氏(大阪府立桜塚高校教諭)が報告し語り合う。午後1時30分~4時30分、参加費1000円で事前申し込みが必要。  

  参加希望者は、部落問題研究所(電話075-721-6108)または菱崎までご連絡を。

 

 3,京都文化団体連絡協議会(京都文連)

   9月28日運営委員会を開催、「文連ゼミ」を12月16日(木)午後7時~、にしぶん広場で開催する。「京都文化団体の歴史」を聞く、音

  サ協とうた協」について聞く。ミニオリコンは12月18日(土)午後1時~東部文化会館で開催。参加費1000円、きょうぶんまつりは、22

  年6月24日(金)26日(日)石垣市民会館で開催する。23日は「沖縄慰霊の日」補助金も出る。

  コロナ感染問題学習会(社会的側面から):10月27日(水)午後7時~教育文化センター103号室(北村、橋本参加)

  民主主義文学会京都支部PRのチラシを作成し文連の行事などにもちこむ。風早所蔵画像を再検討する。

 

 4、支部ホームページの更新

   現行のホームページは使い勝手が悪い。もう少し改善を模索しているが、とりあえず今期は、8月15日更新日なので更新をして、より良

  いホームパージへ改善する。

 

 5,『京都民主文学』73号の編集・発行に向けて

  すべてのゲラ原稿の校正をしました。

  作品の順番を相談し目次を決定。

 

10月例会案内

  次回10月の例会は、27日(水)午後1時から、ラボール京都4階第3会議室で、完成した『京都民主文学』73号の配本・発送をおこな 

 います。

 

 

 

2021年度8月例会報告

 8月の例会は、20日(金)午後1時過ぎから4時30分まで、ラボール京都4階第2会議室に、菱崎博、鯉島民子、

風野真季、風早めい、野川ありき、北村あつむ、橋本宏一の、7人の出席で開催しました。主な内容は次のとおりです。

 

☆関西ブロック支部連絡会で、関西文学研究集会の中止に伴い、文学を学ぶ集まりだけでも何らかの形でできないかとの要望が出されたが、原状では無理との結論だった。当面リモートで合評会をしているので、希望者は吉田支部の田村好男さんまで申し込みを。連絡先は菱崎さんにお尋ねを。

 

☆「舞鶴湾の風」の学習会が、舞鶴市内で開かれ5人が参加、民主主義文学会の支部結成も要請した。和歌山県橋本市でも9月に予定している。10月23・24日、部落問題研究所で開かれる、第59回部落問題研究者全国集会でも、2日目の「思想・文化」分科会で取り上げ学習と討論をする。案内は次回例会に配布。

 

☆京都文化団体連絡協議会主催のコロナ感染問題での学習会は、10月27日(水)夜教育文化センターで開催する。ご参加を。

 

☆『京都民主文学』73号の編集発行について

  作品は、創作「めぐる季節」(鯉島)、「雪の吊り橋」「金本君のこと」(足立)、「あすなろ」(橋本)、「堀川家の人々」(北村)、「青春の色彩」(菱崎)、エッセイ「大好き井上ひさし・・・」(野川)「文芸の小径」(風早)、エッセイ(風野)、創作(佐々木)、川柳(佐藤ひとみ)、短歌(加藤)、追悼・佐藤文磨さんなど

 

∇事前合評

  次の作品を合評した。

 「雪の吊り橋」「金本君のこと」

 掌編小説二編というより、一つの作品にまとめた方がよいなどの意見もあり,本人に伝えた

 「大好き井上ひさし・・・」

 「堀川家の人々」

 「あすなろ」

 

 

次回支部例会は、9月29日(水)午前10時から午後5時まで、ラボール京都4階第3会議室で、『京都民主文学』73号のゲラ原稿の校正をします。ご参加をお願いします。なお、10月例会は27日(水)午後1時からラボール京都第3会議室で、完成した73号を配本発送をする予定にしています。

2021年度7月例会報告

 7月の例22日午後1時過ぎ、ラボール京都4階第2会議室に、風野真季、鯉島民子、菱崎博、足立旻、北村萃、野川ありき、橋本宏一、の7人の出席を得て開催しました。最初に文学運動、文化芸術運動の報告、『京都民主文学』73号発行に向けた準備について議論し、事前合評として鯉島作品「めぐる季節」を批評し合いました。その主な内容は次の通りです。

 

1,関西ブロック支部連絡会、「舞鶴湾の風」

  ブロックの運営委員会は、7月16日リモートによる運営委員会開催、関西文学研究集会の件は、このコロナ禍のため中止にせざるを得ない

 ということになった。作品集だけでも発行できないかとの要望もあったが、支部での論議を経て労力、費用などを勘案し無理と判断。な

 お、作品合評については、ブロック会議のリモート開催に合わせて『民主文学』掲載の作品を取り上げてやっているので、参加希望者は吉

 田支部の田村好男さんまで申

 し込むこと。次回は、8月23日(月)午後2時から、作品は『民主文学』8月号の「瞳」(橋本かほる)「どこにもいなかったこと、どこに

 おいたということ」(中寛信)。

  「舞鶴湾の風」については、京都部落問題研究所主催の研究講座の分科会に「舞鶴湾の風」を設けることが決定。報告と討論がされる。

 別途案内するのでご参加を。舞鶴での読者会も会場提供の話があり、開催することに。

 

2,京都文連(文化団体連絡協議会)

  次回運営委員会7月27日、ここで具体的計画が決定。コロナ学習会を9月に実そう施する。改めて案内をするので出席を。

3,『京都民主文学』73号の発行

  各自発表予定を出し合う。「文芸の小径」は風早担当

 

4,事前合評

  創作「めぐる季節」

  構成、字句修正などていねいに合評した。

 

 

次回例会は、8月20日(金)午後1時~ラボール京都4階第2会議室で『京都民主文学』73号の作品原稿の事前合評を行います。

2021年度6月例会報告

 6月の例会は、24日(木)午後1時過ぎから、ラボール京都4階第2会議室に、足立旻、菱崎博、鯉島民子、風野真季、野川ありき、北村萃、橋本宏一の、7人が出席して開催しました。最初に、文化芸術活動での報告や関西ブロック支部連絡会の動き、「京都民主文学」73号発行にむけた相談などをして、「京都民主文学」72号の全体合評をしました。以下、その主な内容を掲示しておきます。

 

1,京都文連(文化団体連絡協議会)の活動

  6月6日(日)、河二ホールで総会開催、加盟7団体代表など27人が出席、全団体からの発言があり、提案されたすべての議案を全

 会一致採択。主な内容は次号「ぶんれんニュース」で報告。京都支部からは、橋本、北村、野川が参加、橋本が支部の活動について 

 発言した。

  今後の企画行事として、きょうぶんまつり2022石垣公演、来年7月石垣島で実施。コロナ学習会を9月頃に、文芸施設建設要請活

 動、京都に文学館をつくる提案を支部としてしていくが、どんな文学館にするか、次回例会に各地の文学館の事例が分かる資料をも

 ちよることに。

 

2,関西ブロック支部連絡会

  リモート会議を開催、関西文学研究集会は今年もコロナ禍による会場問題もあって中止、「作品集」だけでも作成はできないかと

 の問い合わ せもあるが、それだけに安くない費用と労力をつぎ込むのはむずかしいとの意見が大勢だった。

 

3,「京都民主文学」73号発行にむけて

  原稿の締め切りは8月31日。次回例会に事前合評をするので、できるだけ早く支部員へ原稿を送ること。特別企画として「佐藤文磨

 さん追 悼」を組む。佐藤さんの文学活動などの経歴を橋本が担当,支部員は思い出を500字程度にまとめて発表する。

 

4,『京都民主文学』72号総合合評

 

◇創作「朝霧の中

  作者からー大阪の識字学級で子供のとき学べなかった人たちに教えていた、その時大阪大空襲の体験を聞き、作品にしておかなけ

 ればと思った。遺体を運んだ話など戦争の被害 者であるとともに加害者でもあるという責任も感じていた。怒りもある。題名がお

 かしいという感想もあったが、あいまいな記憶を象徴させる意味合いもあり、とくに記憶ということについてこだわりをもって書き

 進めた。

  読んだ最初は認知症の話かと思った。書く時考えることが大事と知った。

  美恵の視点にひっかかるが、文章がいい。読ませる。荼毘にふすシーンが印象深い。自分もみたことがあり、寺が近くでよかった

 なあと思う。

  なるほどと思うように書いてある。スムース、爽やかな印象を受ける。

  京都駅で偶然会うのがドラマチック。5の回想がいい。

  3の回想がなかったら成り立たなかったのではないか。京都駅の場面はない方がよかった気がする。展開のしかたにもう少し工夫

 がいる。

  「お守り袋」の存在がいい。これが記憶と想像につながる展開。できたら夫婦がこれから支え合って生きるようになればいい。

  いままでとは作風の違う作品。夫婦の穏やかな空間が流れるのが強く印象付けられる。

 

◇エッセイ「大好き 井上ひさし ・・・言葉と物語の乱放射・・・」」

   作者からーともかくも今回は言葉の豊かさと面白さにひかれた戯曲を取り上げた論考として書き進めた。説明から逃れられない。

  戯曲の場面が多すぎて作者のコメントがあまり入っていない。作者の気持ちが少ない分引き込む力が少なくなったのでは。

  作者の世界で展開した方が魅力的。

  

◇創作「堀川家の人々・吉蔵、又蔵兄弟」

  作者からー物語の展開は歴史的事実に従っている。個々の人物のやりとりする場面や事件、会話などの細部を仕上げるのはフィクシ  

 ョン。創作がないと成り立たない。作中人物の久さんは死を迎える。ほんとの吉蔵は自死ではなかったが、作品ではつくった。

  連作として書きつないできているが、いままでの作と比べ一番読みやすい。筆者の悲しみがもっと出るとよい。

      子どもたちの動きもよく描いている。

  作者からーひとり一人の人物の描き方が軽すぎる。25回くらい読み直して手を入れた。描写が自然にはいるようになった。

 

 

 

 

次回例会は、7月22日(木)午後1時から、ラボール京都4階第2会議室で、「京都民主文学」73号発表作品の事前合評をおこないます。なお、8月度は20日(金)午後1時から第2会議室で開催し2回とも事前合評としますが、締め切りの日程ぎりぎりより早い目の発表が推敲の時間も多く取れますのでお勧めです。

2021年度5月例会報告

 5月の例会は、26日(水)午後1時過ぎ、ラボール京都4階第3会議室に、北村あつむ、野川ありき、風野真季、風早めい、鯉島民子、菱崎博、足立旻、横道しげ子、橋本宏一の、9人が出席して開催しました。最初に、文学、文化関連の活動での報告があり、さらに「京都民主文学」73号発行計画を相談し、本題の「京都民主文学」72号の総合合評に移りました。以下、主な内容を報告します。

 

1、京都文連(文化団体連絡協議会)の活動

  文連ニュース5月号発行(当日配布)、総会(6月6日)に向け、京都支部の活動報告提出、当日運営委員の北村、支部から橋 

 本出席予定。「新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言の延長に伴う京都府における緊急事態措置の運用に対する抗議文」

 「府・市各施設の休館・利用停止・使用休止を直ちに解除せよ」との文書を5月13日付で西脇俊隆府知事、門川大作京都市長

 に送った。3月のコロナ学習会につづく、学習会を計画中。

 

2、関西ブロック支部連絡会

  リモート会議の実の状況(24日)、今年も関西文学研究集会は中止。

 

3、「舞鶴湾の風」

       月刊雑誌「人権と部落問題」に感想が掲載された。15人程寄稿のうち9人掲載。読書会の計画もある。フェイスブ

 ックへの投稿もある。

 

4,「京都民主文学」73号発行について

  いままで作品の書式が不統一だったところがあり改善をはかる。例えば行空けの次は一次下げで書き出すなど。改めて徹底を 

 はかる。73号の原稿は8月末締め切りとする。「文芸の小径」は故佐藤文磨さん担当だったので風早担当とする。4月に亡く

 なった佐藤さんの追悼を特集する企画も組む。各自500字で佐藤さんとの思い出を執筆する。経歴なども調べ、冒頭に記す。

 

5,「京都民主文学」72号総合合評(以下論議要旨)

   ▼全体として

  創作が10作品、寄稿もありいつもの号より厚めになりこれ位がちょうどよいのではないかバランスがとれている。

 ▼「八田川」

  〈作者から〉1970年代の、結婚前から回を重ねて書き継いだ作品を整理した。書き直しをしながら、校正をしていく大切さを学ぶ機会とな  

  った。連作として書き継いで行く。今回分が三分の一相当。

   典子(主人公)の誕生から、視点は主人公というのではなく、若干他の視点が混じるが、一気に読ませる描写力がある。たとえば、「傘を

  杖に農道を踏みしめるように歩いていた」のくだりや、稲のざわめき、雰囲気が伝わり情景が目に浮かんでくる。典子の性格も鮮やかに描か

  れている。ヤンチャ、わがままがよくわかる。読者が作品の世界に素直に入っていける。

   早くつづきが読みたい。大根を煮ているシーンがいい。作中人物の気持ちが伝わる。

   「部落問題」ということにあまり知識がなかったが、「この橋を渡ってくるのは郵便配達しかいない」といった文章などから具体的に理解

  できる。気になるのは、生い立ちだけで終わっている感じ。後が続くのであればそれでよい。「破戒」も好きだったし、ものすごく勉強にな

  った。

   感動した。作者の最近書いている小説とは文章が全く違う感じだ。書き直したのがすごい作品に仕立てたのだと思う。

   「広蔵の死」はいらないのではないかという印象ももった。「ずずり箱」のところは象徴的場面、もっともじもじするした典子が描かれ

  るといい。終わりの方は、もう少し生きる力を感じさせる展望につなげてほしいと思った。

 ▼「見上げれば比叡の峰に雲流る」

  〈作者から〉小さいときの実話。貧しかったけれどもおじいさんはかわいがってくれた。しかし、国民学校3年生でおじいさんが死に、4年

  生で父が死ぬといった不幸に見舞われた。

   深く記憶された体験が描れている。作者は、いままでも子供から少女時代の作品を描いて秀作を「雪明かり」にまとめた。思い出話で終わ

  らせず、感性ですくいとった作品にしたててきた。ここでも昔の生活がよくわかる。

   もっと書きつづけてほしい。

    ▼「笹先生」

  〈作者から〉体験がほとんどだが細部の会を創作。お世話になった恩師や郷里の人たちへの感謝を込めた。

   大人たちの噂話を取り上げていじめに走る主人公には反省がないのか、もっと深めるべき。

   丸太町通りを寺町通りから西へ歩けば裁判所がかなり大きい存在、入れた方がよい。

   先生が音楽について語るところがよかった▼

   歌声の合唱がここにも出てくるが、今もなお歌声運動は元気。

   なぜ先生が主人公たち3人だけを招待したのか、気になった。

   文章がリズミカルなのがいい。

  ▼「北国の花」

   〈作者から〉ラブストーリーを描こうと思ったがうまくいかない。結局夢を最初にもってくるこういう形に変わった。過去の学生時代のこ

   と、トラウマを引っ張り出した。作中人物に本人ははいっては入っていない。

    作者はいままでも、自分の人物像ではない人物を形象して物語を多く書いてきた。どちらかといえばストーリーテラーだ。

    読んでびっくりした。いいなあと思う。夢が最初に来るのが意外だ。

    伊賀は大学2年生でひんぱんに北海道に行く。誰か愛する人がいるのかと想像させられる。

    彼氏を簡単にふったのがすごくおもしろい。一番最初の男の人との関係で最後しめた方がよかったのではないか。

    短歌のかませ方も統一性を持たせた方がよかった。若年メロドラマ調という感じ。

  ▼「沖縄・わが家の連帯」

   〈作者から〉作家のK氏から「小説としてまとまっていない。この手の書き方で無理に小説に仕立てる必要はない」と手厳しい批評もい 

   ただいた。ほんとうは、もっと長かったのだが、作品を編集部に送る際文章が飛んでしまった。

    こういう風に小説が成り立つのかと思った。これも面白い。最後の場面は涙が出た。

    現在形でかかれていて生き生きしている。登場人物が個性的、それぞれの体験を見続ける中、戦争に対する思いが盛り上がっていく。な

   かなか重い題材ではあるけれど読者は再認識させられる。次郎は感じやすい人だ。それが個性として際立ついい作品だ。引用が長いのが同

   か。お母さんの部分、引用でなくともかけたのではないか。

 

  次回例会は、6月24日(木)午後1時から、ラボール京都4階第2会議室で、『京都民主文学』72号の総合合評をおこないます。  

   

 

 

次回の例会は、6月24日(木)午後1時から、ラボール京都4階第2会議室で、『京都民主文学』72号の全体合評(5月例会のつづき)をします。

2021年度4月例会報告

4月の例会は、30日(金)午後1時過ぎ、ラボール京都4階第2会議室に、北村あつむ、風早めい、風野真季、鯉島民子、菱崎博、足立旻、野川ありき、橋本宏一の8人が参加して開催しました。多くは、完成した『京都民主文学』72号(写真)の配本と発送作業でしたが、以下の事項についての報告や確認もありました。

 

∇佐藤文磨さんの逝去

 2月から間質性肺炎で入院加療をしていたが、様態が急変、呼吸困難を発症、4月5日死去した。家族葬をすませた。民主主義文学会会員であり、『京都民主文学』に長年投稿し、事務局長など深くかかわってきた功績から、支部の仲間としてご遺族(夫人)と連絡もとって、一度お悔やみに訪問する。その際『京都民主文学』20冊を持参する。また、文学仲間以外にも労働運動、共産党など多くの友人もあり、「お別れ会」も計画がもちあがっている。当面コロナ禍でむずかしいが、相談して具体化する。

 

∇京都文連(文化団体連絡協議会)の活動

 4月27日(火)運営委員会を開催、文連ニュース5月号を連休明けに発行する。当面の行事は、文連ゼミを5月25日(火)新美公募展(アンデパンダン展)として実施。午前11時、京都市美術館前集合。鑑賞した後交流会を開催。6月6日(日)の総会は、北村(運営委員)、橋本(代議員)が出席する。コロナ問題の学習会(3月28日・ひとまち交流館)は50人超の参加で、宮沢孝幸准教授の有益なお話を聞けた。主な内容は文連ニュースに掲載予定。

 

∇関西ブロック支部連絡会

 コロナ禍で会合は未開催。リモートでの会議でやりとりしているが、今年も関西文学研究集会は中止を決定。

 

 次回例会は、5月26日(水)午後1時からラボール京都4階第3会議室で、『京都民主文学』72号の全体合評を行います。

2021年度3月例会報告

  3月の例会は、26日午前10時からラボール京都4階第2会議室に、菱崎博、風野真季、風早めい、鯉島民子、野川あり 

 き、北村あつむ、山際理子、足立、足立旻、橋本宏一、の9人が出席して開催しました。例会では主として『京都民主文学』7

 2号の発行へ向けたゲラ原稿の校正作業を行いましたが、文学運動や関係する文化運動での活動報告や取り組みの相談もありま

 した。その要点は以下のとおりです。

 

☆関西ブロック支部連絡会

  リモート会議での作品合評会、運営委員会をつづけている。5月にブロック会議を開催してほしいとの要望もあり、4月19 

 日のリモート会議にはかって決める。文学研究集会、文学教室などは今後の状況次第。

☆「舞鶴湾の風」の反響

 「舞鶴湾の風」を読んだ人から続々と感想が届いている。大阪、兵庫、千葉などから手紙、はがきなど50通を超える。お礼に

   地域の特産物も送ってくる。売れ行きも好調で残部数も少なくなってきた。舞鶴出身の方から「このような歴史があったことに

 驚きました。と同時に深い感動を覚えました。・・・舞鶴での思い出は尽きませんが、晩年にこのような感動的な本に出会えた

 ことは奇跡に等しいことです」との感想を伝えてきた。「二刷りをしたらいい」との意見も出された

☆京都文化団体連絡協議会(京都文連)

 「文連ゼミーコロナ学習会」へ参加しよう

  3月28日(土)午後2時~4時 ひとまち交流館大会議室  講師:宮沢孝幸さん(京都大学ウ イルス・再生医科学研究

  所 准教授)  参加費500円

  2021年度総会(6月6日午後2時から/河二ホール)へ代議員として橋本支部長が参加する(北村事務局長は運営委員)

  「文連ニュース」4月号発行(京都支部からも寄稿する) 

〇『京都民主文学』72号発行

  総ページ数は、220ページ(71号・152P 70号162P)とやや多め

  掲載作品は「創作」11作品でいつもより多い  

  作品の掲載順(目次)、次号「文芸の小径」執筆担当、72号の「編集後記」担当を決定

  

 次回例会の案内

  次回例会は、4月30日(金)午後1時から、ラボール京都4階第2会議室で、『京都民主文学』72号の配本と発送を行いま 

 す。

 

 

2021年度2月例会報告

  2021年度2月の例会は、2月23日(火・祝日)午後1時から、ラボール京都4階第2会議室に、菱崎博、鯉島

 民子、風早めい、風野真季、野川ありき、山際理子、北村あつむ、橋本宏一の8人が出席して開催しました。最初に、

 文学関連の運動や事務連絡などについて報告と相談をして、『京都民主文学』72号の原稿を事前合評をしました。そ

 の主な項目は以下の通りです。

 

1,文化芸術運動

  「文連ニュース」新年号が発行された。各参加団体が今年度の抱負を発表。コロナ禍での決意を新たにしている。次

 号は4月発行の予定。

  文化団体の全国交流会は5月9日に開催、詳細は追って案内。

  コロナ感染に対する対処学習会を3月28日(日)に宮沢孝幸助教を講師に迎えて開催する。

  文連総会が6月6日(日)午後1時より、河二ホールで開催されるが、京都支部から運営委員の北村さんの以外にも

 1名代議員が必要。追って決める。

 

2,関西ブロック支部連絡会

  2月15日、リモートでの会議開催。次回3月15日。

 

3,提案された予算案を審議し原案どおり決定

  ただし、会費収入からなる一般会計から『京都民主文学』発行への補助費は、見直す必要があり金額等をふくめて適

 性化をはかる。『京都民主文学』を支部員が積極的に販売することで、発行財政は健全化がはかられるので、おおいに

 普及販売に力を入れる。

 

4,京都支部の拡大強化、市民参加の文芸活動の計画は次回以降の例会で相談

       総会で出されていた懸案事項でもあるが、次回例会で相談する。

 

5,『京都民主文学』72号発行に向けて

  ☆以下の作品原稿を事前合評

  ①創作「朝霧靄の中へ」風野真季

  ②創作「空襲の話」足立旻

        ③創作「笹先生」橋本宏一

  ④創作「戦争ファミリーヒストリー」山際理子

  ➄創作「堀川家の人びと6」(連載)北村あつむ

  ➅創作「青春の色彩13-2」(連載)菱崎博

  ➆創作「八田川」鯉島民子

  2月末が原稿締め切り。その他、エッセイ、詩、短歌、俳句などは風早めいさんのメールアドレスへ。

 

 次回例会案内

  次回の例会は、3月26日(金)午前10時から、午後5時まで、ラボール京都4階第2会議室で開催します。

 『京都民主文学』72号の発行に向けて、主にゲラ原稿の校正をします。午後の一定の時間をとって支部の拡大強化や 

 市民向けの文藝活動の相談をします。  

 

 

2020年度支部総会報告

 2020年度の支部総会は、1月22日(金)午後1時過ぎから、ラボール京都4階第2会議室に、で開催しました。

 総会は、議長に山際、記録係に風野を選び進行しました。総会議事の概要は以下の通りです。

 

  橋本支部長あいさつ

 昨年の総会から1年間ほぼ毎月の例会を開催し、支部員の作品の合評を基本に、年2回の支部誌発行をして、推薦作のコンクールでは足立さんの「巨椋池の畔にて」が最終選考までいくも入選には至らなかった。例会での合評が貴重な成果をあげている。しかし、コロナ禍で支部が他支部や市民に呼びかけた創作や批評を学ぶ講座が実現しなかったのは残念。例会の持ち方もさらに創意工夫をして、より質の高い文学作品を生み出せるよう改善をしていこう。また、12月には菱崎さんが「舞鶴湾の風」を自費出版したが、これは一人菱崎さんの努力が生んだ結晶であることはもちろんだが、原稿を読んでの批評など支部の仲間の援助、協力も

後押しした。この成果をみんなで確信にしてさらなる創作、批評活動を進めよう。

 

  北村事務局長の活動報告と総括

 つづいて、北村事務局長が活動報告をしました。主な内容は次の通りです。 

 年初よりまったく予期しなかったコロナウイルスの流行、その後の感染拡大が1年以上も続いたため支部活動も大きな影響を受け昨年の総会で決定された活動計画の内の一部が中止を余儀なくされた。例会は毎月一回開催を計画していたが、会場側の使用制限により4月は会員宅を借用しての例会(『京都民主文学』70号配本・発送)、5月度は中止となった。6月からは条件付きで会場貸出が可能となりほぼ毎月の例会を開催してきた。例会をまとめた報告はホームページに毎月アップロードし一般公開している。

 例会は主として支部員が発表する作品原稿の事前合評に多くの時間が費やされ、文学作品を分析し、掘り下げ突っ込んだ議論をするところまで至らず、形骸化からの脱皮が課題となっている。今総会でも議論を深めてより充実した例会を追求したい。

 支部誌『京都民主文学』は、4月に70号、10月に71号を発行した。70号は節目の記念特集号として原稿を集めて発表した。また同号の足立さんの作品「巨椋池の畔で」を支部推薦作として応募作品に推し、最終選考まで残ったものの入選には至らなかった。71号の作品では創作が若干少なかったので、さらに支部員が創作に力をいれることが期待される。

 その他の支部活動としては、一般市民への公開講座、創作教室、他支部との交流を目的とした合同合評も計画に掲げたが、コロナ禍で実現しなかった。また、いつもと環境をかえた会場での文学学習会も中止せざるを得なかった。

 経済活動を優先した自民党政権の下では、感染拡大防止を理由にした文化芸術活動の制限、支援の皆無が、人間社会のゆとりのなさ、失職者、若者の自死の増大などに拍車をかけ、疲弊した人間関係の社会を拡大している。こうしたなかだからこそ、文化芸術の果たす役割は大きく、私たちの活動を世論に問わなければいけない。そのことを民主主義文学会から活発に発信していかなければならない。

 12月には菱崎さんが「舞鶴湾の風」を自費出版した。支部としても普及に協力していく。

   関西ブロック支部連絡会は、支部から 菱崎さんが事務局として運営に当たっているが、これもコロナ禍で12月開催予定だった関西文学研究集会が中止になり、同様に文学教室の企画も進まなかった。リモートでの会議、作品合評などが開催された。関西府県本部の支部は、兵庫2,大阪4,奈良1,和歌山1,京都3の11支部が存在するが、例会を毎月開催しているのは、京都支部と阪神支部くらい。そうした現状も踏まえて支部との交流も考える。

 京都文連(文化団体連絡協議会)には、北村が役員として参加し、積極的な役割を果たしている。6月には京大ウイルス研究所の宮沢孝幸准教授を講師にコロナウイルスの学習会を開催した。大変有意義だった。最も大きな行事は11月の「きょうぶんまつり」で支部からも積極的な参加があった。また、学術会議任命拒否問題での抗議文を政府に送ったり、新型コロナウイルス感染拡大にともなう会館利用の改善を京都府や市に要望書を提出したりした。

 特に検討課題として、会員の高齢化が進んでいることで、例会の在り方や後継者づくり、そのための新会員の拡大などを論議してほしい。

 

  討論で出された議論の要旨

 京都の他支部との合併は、他支部の人に呼びかけて合流させようというのは現状では無理がある。他支部に所属している人はそれぞれの思いと経過もあって作品を書き活動をしている。例会のもちかた、支部誌、作品発表もスタイルがあって、ただちに私たちと一緒に活動しようとはならないだろう。当面は一緒に文芸講演会をするなどがよいのではないか。

 京都市より北部の綾部とか舞鶴とか、地域に文学活動の志のある人が何人かいれば可能性はある。それも例えば「舞鶴湾の風」を読む会のような集まりができれば足がかりにはなる。

 例会でもっとやりたいのは、話題となっている作品などを様々な側面から掘り下げ、題材の選び方、テーマの追求、構成、文体などから描写、叙述といった、表現方法、文学論、作家論といった多角的重層的な問題提起の報告もして、時間をかけた議論ではないか。それをやろうとすると、事前合評のような形式では無理。文学研究になるような、そのための準備と段取りを立てなければならない。それにふさわしい現代文学の作品、報告者、問題提起、さらに参加者が作品を熟読しつかみとりたい問題意識をもつ、など、事前の段どりと準備も議論して、企画をする必要がある。例会において具体化をしていく。例えば、小林多喜二、宮本百合子、あるいは柴垣文子さんの作品などもいい。これなら作者本人も呼べる。

 

  決定した2021年度の活動方針

 ⁂支部例会は月1回定期に開催する。総会の議論をふまえて例会において相談し、合評会などの改善をはかる。

 ⁂支部誌「京都民主文学」は年2回、おおむね4月と10月の発行をする。

 ⁂作品向上のための研修会を実施する。他支部との交流を積極的に進める企画もする。

 ⁂京都文連との交流も進め、文化芸術振興の課題達成のための活動にも取り組む。運営委員も派遣する。

 

  2020年度会計報告・監査報告

 野川ありき会計より20年の決算、北村事務局長(佐藤文磨監査代理)の監査報告を全員で承認。ただし、支部誌発行費が余ったのは次回の掲載費に回すこととして、次期予算は次回例会に示して承認を得るものとする。

 

  選出された2021年度役員

  支部長     橋本宏一

  事務局長    北村兊(あつむ)

  事務局     風早めい

  会計      野川ありき

  会計監査    北村兊

  支部誌編集部  風野真季、風早めい

  関西ブロック  代表・菱崎博、副代表・野川ありき、鯉島民子

  文連運営委員  北村兊

 

 

次回例会のおしらせ

 次回例会は、2月23日(火・祝日)午後1時からラボール京都4階第2会議室で開催します。主には、『京都民主文学』72号の発行に向けた事前合評を行います。原稿を例会日の1週間前には各支部員に届くよう、メールや郵便などで発送してください。72号の原稿締め切りは2月末日です。よろしくお願いいます。

 

 

次回次回の例会は、次回え

2020年12月度後期例会報告

  12月度後期例会は、25日(金)午後1時過ぎ、ラボール京都4階第2会議室に、佐藤文磨、菱崎

 博、足立旻、鯉島民子、風野真季、北村あつむ、山際理子、野川ありき、風早めい、橋本宏一の10人

 が出席して開催しました。最初に、「人権と部落問題」誌に連載してきた菱崎さんの小説「舞鶴湾の

 風」の出版がされたことが報告され、支部としてもこの長編小説の宣伝・普及をしていくことを相談。さ

 らに、関西ブロック支部連絡会、京都文連(文化団体連絡協議会)の活動の報告、そして、『京都民主

 文学』71号の総合合評を若干した後、「民主文学」12月号の支部誌・同人誌推薦作品の最優秀作や

 入選作について感想を出し合い、合評をしました。その特徴的な論旨は以下のとおりです。

 

1、「舞鶴湾の風」をおおいに宣伝・普及しよう

 「人権と部落問題」誌に3年5カ月連載した原稿に2割程度書き足した。それを支部の仲間にも読んで

 もらって校正、自分でも2か月かけて4回校正し完成にこぎつけた。当初出版するかどうか、経済的に

 も大変だし、 どうしようかと周りに相談したら、孫がぜひ作品にして残してくれといい、娘が出版費

 用の半額を出すという。カンパを申し出る友人もいた。本の泉社の配慮もいただき、決意を固めての出

 版となった(菱崎さんの話)。

  長編小説というジャンルの文芸書であることはもちろん、軍港・舞鶴をつくった社会の底辺にあった

 人々(いわゆる未解放部落の人々)に光を当て、今の舞鶴の礎が、どれほどの人々の過酷な労働と窮乏

 、差別への怨嗟とたたかいの上に築かれたか、学ぶ書としての価値もあり、今後のわが支部の仲間たち

 の出版も視野にいれて、支部としても宣伝・普及を進めていきたい。チラシを活用して広げ、販売もし

 ていこう。

  定価は2、200円だが、送料370円、2,570円で送ることにしている。

 

2,京都文連(文化団体連絡協議会)の運動

 「京都文連ニュース」12月号発行。「きょうぶん祭り」の報告と感想をあつめた。「まつり」は、初

 日のステージ企画に146人、2日目の映画46人が参加した。「コロナに負けへん」との思いを共有

 し元気を確認できたのがよかった。

 

3、資料・情報提供と問題提起

 ◇文芸雑誌「すばる」12月号に金石範氏がエッセイ「生・作・死」を発表している。95歳という年

 齢、心臓疾患で半月の入院の後、「生・作・死は一体だと考えている」とのエッセイを執筆する作家魂

 に学ぼう。 

 ◇朝日新聞掲載の「不寛容の時代」で小説家・桐野夏生が語ったこと「『正義』でねじふせて罪を犯す

 重さ儚さを知ろうとしない傲慢」は、今の社会現象の危うい問題を切り取った重要な指摘だ。特に権力

 の側からの、「正義」、多数派による同調圧力、の前に、異論が封殺され、議論もされず、思考停止が

 広がる風潮があり、文学を真実の言葉で創造するわれわれはこれにどう対処するのか、創作と批評の側

 面から斬り込まねばならない。合評もこういう視点を念頭においてやろう。

 

4、『京都民主文学』71号総合合評

   *川柳「夏の終わりに」

  「診察券一枚増えて夏終わる」がいい。高齢者の暮らしが如実、ひねりも効いている。

  「万札がきり刻まれるレジの音」もおもしろい。ああというため息に共感してしまう。

  言いたいことを5,7,5の言葉にまとめるのが大変むずかしい。挑戦と訓練が大事だ。

   *創作「まほろばの里」

  国立病院を独立行政法人化したのをつぶさに見て書こうと思った。現場の医療従事者にしわよせが

 いっているひどい実態が気になった。三交代の職場を3人でまわしていたところが2人に減らされた。

 1人の患者のおむつを替えるのに2時間もかかったという。こんな深刻な事態を放っておけない。これ 

 を書いて現場の人からは感謝の声が届いている。

  コロナウイルスの感染拡大のなか、医療現場のこうした問題を書くのは大切だ。

 *エッセイ「公民館廃止に動く宇治市」

  市教育委員会のパブリックコメントでは公民館廃止反対が90パーセント以上あったにもかかわら

 ず、教育委員会は廃止の方針を変えようとしていない。住民の声に耳を傾けない市への怒りにまかせて

 書いたエッセイである。市長選挙では、当選はできなかったものの、この住民の意思は示せたのではな

 いか。

  公民館は地域社会で、住民の文化を学び交流する大事な役割をはたしてきた。地域の伝統文化を伝え 

 る場にもなり、料理教室で習ったものを家庭で味わうようにもなる。

  京都市内でも生涯学習センターなるものに変わりつつある。昔は隣保館として存在した。

 *連載小説「青春の色彩」

  澤田章子さん(文芸評論家)から感想が届いた。「私の青春時代を思い出す」とあった。休載したと

 きは「どうしたのだ」との叱責も受けた。あと5回、3年ほどで完結させたい。主人公はシングルマ

 ザーとして子育てをするのだが、保育所設置運動にも取り組む女性。この運動の経験豊富な横道しげ子

 さんからも話を聞いて生かしたい。

 

5,『民主文学」』12月号掲載「支部誌・同人誌推薦作品」合評

 Δ「群青の彼方」よりは、「寸借詐欺」の方に魅力を感じる。主人公の視点が「寸借」はすこしずれてい

 て、伝蔵をやや横から見ているような書き方がいい。「群青」坦々と描き進む感じで、あまり葛藤がな

 い。教育実践の報告のようで小説としては物足りない。「寸借」は伏線もうまく使い、展開がうまい

 し、人物に魅力がある。

 Δ「闇」の方がよい。読んでおもしろかった。

 Δ「マスク」の方がよいのではないか。

 Δ「群青」が優秀作に選ばれたのは、題材が多分に影響しているような感じだ。東日本大震災と福島第1

 原発の事故があり、そこからの避難、避難した学校が今度はコロナ禍により休校に追い込まれ、そこに

 生きる生徒とそれに向き合う教師という題材が選考委員を揺り動かしたようだ。原発事故やコロナ禍の

 被害といった今の社会問題によりかかり過ぎていないか。

 Δ福島から来た子の思いを描いたらもっとよくなった。校歌がものすごくいい。「闇」は終わり方が中途 

 半端でいただけない。「群青」はいい終わり方だ。

 Δ5作品とも現在の問題ばかりを題材にしている。なぜ進行形だけなのか、腑に落ちない。

 Δいずれの作品も上手に描けている。なかでも「群青」は一番良かった。読んでいて気持ちがいい。特に

 校歌の詩がよかった。プロットの設定もうまいしテーマの選び方も適切。表現も上手。「闇」は障害者

 のもつ能力のすごさの表現に圧倒される。「寸借」は、メンタルという語句を巧みに使っている。これ

 らの作品を読みながら思ったのは、書くべきことがまわりにたくさん転がっているということ。『民主

 文学』12月号は毎回楽しみにしている。書きなれた常連作家と違った作者の新鮮さに感動をもらえる

 から。

 Δ正義の側に立って書く文学というのはおかしい。世間的には悪人と思われる人の内面に入り込んで書く

 方が人の知りえぬ真実を明らかにし多くの人の考え方を揺り動かず文学たり得るはず。「悪い人」を描

 く挑戦もしたい。

 

 次回は、1月22日(金)午後1時から、ラボール京都4階第2会議室で、支部総会を開催します。

   

 

菱崎博昨「舞鶴湾の風」出版

わが支部の菱崎博さんがこの度「舞鶴湾の風」を本の泉社より出版しました。「人権と部落問題」誌に、2016年4月号より19年12月号まで連載されてきたものに増補しまとめたもので、350ページにわたる長編小説です。物語は、1905(明治38)年から15(大正4)年まで、鳥取県因幡地方のいわゆる未解放部落の住民が舞鶴に移住し、集落をつくって軍港建設の過酷で無権利の労働に従事しながら、差別や蔑み、貧困からの解放を願い、団結して行動するようになる群像を描いている。封建制から明治維新の近代化で「四民平等」となり、日清、日露の戦争に勝利し先進資本主義国となったはずの日本に残された身分差別という重い問題を抉り出す力作。

定価・本体2200円プラス送料370円

希望者は、民主主義文学会京都支部のに申し込みいただくか、直接菱崎博さん(電話075-882-2480))へ。